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先生は、懇親会の終わりの挨拶で、「五年の内にはには良くなる」と言った。
その理由を質問したけど、酔っていたせいか私は良くわからなかったが、同期塾生から世代交代によるというものであったようだとの説明をもらった。
これを聞いて無邪気に喜んでいたが、今思い返すとちょっと変だという気がしてきた。
先生の講義内容のひとつは、話題のトマ・ピケティを取り上げていた。
資本利益率が経済成長率より高いと格差が拡大する。例外的に第一次大戦から1970年代後半の期間はこれの反対に格差は縮小し経済成長していたというものだ。当然私達塾生は格差縮小し経済成長率が高い方を良しとしている。
他に講義で取り上げられたのは、ISILの日本人人質殺害事件で、その背景について考えるものだった。これは、アメリカ一極支配が終り世界の不安定化が進んでいくという先生のいつもの世界観で語られていた。

私はシュンペーターの創造的破壊について質問をしたかったのだが、人見知りの性格のためにできなくて、その葛藤の心を抱えながら、懇親会でも先生の方を盗み見ていた。先生のテーブルの話題の内容はよく聞き取れなくて分からなかったが、笑いが絶えず楽しそうな雰囲気だった。しかし先生が黙っている時はとても悲しそうな顔をしていた。そして空笑い…それを見た私は心が寒々とした思いがした。

資本利益率が高いということは、資本を持っている富裕層がさらにお金持ちとなり易いことを示している。しかし大きな戦争が始まれば勝つために国家総動員的な政策をとることになる。国は戦費調達のために税制を変え、経済もインフレとなり、富裕層の財産は縮小していく。トマ・ピケティが示した例外的な時期の始まりは世界大戦である。その後に塾生たちが望む格差が縮小していく経済状況がやってくるのだ。

今の世界は、ISILの問題、ウクライナ問題、中国の軍拡と経済的崩壊の予兆、ギリシャの債務危機…
昔から小さな戦争は絶え間ないが、世界情勢はますます深刻化してきている。新自由主義やグローバリズムは批判され始めてきているとは言ってもまだまだ健在だ。そして割と最近の先生の著書の題名は「世界を戦争に導くグローバリズム」だった。

五年の内に世界大戦が始まるのだろうか?
懇親会場の外は、春一番には明らかに早すぎる強風が吹き荒れていた。