私設図書館13号

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自身のための読書日記。備忘録。

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かなり以前に「毒猿 新宿鮫II」を読んでから相当時間が経ちました。
友人に薦められたこのシリーズ。ある人は最新刊が面白いと言い、ある人は二作目が面白いと言い。

自分としては、もう記憶が曖昧なんですが、鮫島の恋人役の晶に現実味が感じられず、エンターテインメントというか、「ああ、映画化するわけだな」と妙に納得しつつも、小説として、そこまで感情移入できずに終わった作品でした。

ところが、その頃もう一冊買っていたんですね。それがこの三作目「屍蘭」。今回何気なく手にとって読んでみたら、これがまた面白い。物語にぐいぐい引き込まれ、先が気になって止められない。久々にこんな読書体験をしました。

主人公の鮫島は、全国の警察官25万人の中に、500人足らずしかいないといわれる、キャリア組、いわゆるエリートでした。しかし、同期の友人(といってもそんなに親しくなさそう)が上層部の闘争に巻き込まれ、その際に何やら上層部の人々に取っては、あってはならない証拠を掴み、それを鮫島に半ば無理やり託して、死んでしまいます。その後、鮫島には上層部からあの手この手で、その証拠を出すように要求されますが、全て突っぱねているうちに、彼は警察にとっては、辞めさせるわけにもいかず、昇進させるわけにもいかず、というタブーのような存在になってしまい、警視庁の管轄のなかでも、ひときわ危険な区域を担当する新宿署に配属されます。そこでは同僚も腫れ物に触るような扱いで、疎んじられます。これまでエリート畑だった鮫島の、新宿の犯罪者相手に孤軍奮闘する日々が始まります。

今作は高級娼婦の元締めだった男の殺害から、鮫島はその背後には、ある産婦人科医院の犯罪があることを疑い、関係者を洗い始めます。エステサロンの女社長、その女社長のパートナーである元警察官の男。鮫島に仕掛けられた巧妙な罠。

また、今回から警察の上層部からの圧力が加わり始め、個人的にはこのシリーズの最も面白い部分が顕著に現れてきました。これはしばらく新宿鮫が止まりそうもありません。



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スケルトン探偵ギデオン・オリヴァーシリーズ。

本作の主人公は、形質人類学者。

遺跡などで見つかった古い骨から当時の人々の生活などを研究している。

毎回、いろいろな国に行き、その土地の風土、美味しい食べ物などもさりげなく紹介しながら、上質のミステリーを堪能させてくれるシリーズです。


今回の舞台は南米アマゾン川流域。

シリーズ愛読者にはお馴染み、友人であり、FBI捜査官のジョン・ロウと、「安く旅する会」の添乗員のフィル・ボヤジャンと共に、アマゾン川クルーズに参加。

乗客には、植物学者のグループが乗船しており、彼らは皆いわくありげ。

過去、アマゾン川流域で、ゴムの木の新種の苗で一儲けし、その際に原住民に追われた挙句、同行していた友人達を置き去りにした教授。彼を中心としたグループであるにも関わらず、他メンバーは皆一様に彼に不満を持っています。そんななか、原住民が起こしたとしか思えない事件が起き。


骨から様々なことを推理して、犯人に近づいていくのが本作のスタイルですが、今回は本当に後半のほうで白骨が出てきて、いつもの見せ場が若干少なく感じられました。が、登場人物たちが抱えている秘密、それが明らかになるタイミングや、シリーズ常連キャラクターたちの楽しい会話は健在。愛妻のジュリーの出番と、ふたりのアツアツっぷりが、毎回若干うざいのですが、無ければ無いでちょっとさびしい。