この前の試合の対戦相手が私が考える弱いチームの典型だったので、紹介したいと思います。
フットサルなんですが、
うちは下手くそで年寄りチームなんで、
どうやったら勝てるかということは
意外と綿密にやってます。
いわゆる戦術ですね。
フットサルの仕組みについては、
以前、関西リーガーが所属していたこともあり
ロジカルに分解できるだけの知識は
チームとして持っています。
なので、今、この下手くそで年寄りなチームが勝つためにはどうやったらいいのか、を
チーム戦術に落とし込んでいるのです。
フットサルのメジャーな戦術でやれば、
下手くそなんで負けます。
気合いで走り回って運動量をあげる戦い方をすれば、
大学生にやられます。
そんな中でうちが選択した戦術は、
めちゃくちゃ珍しい、けれど
うちにとっては的を得た戦い方なんです。
ハマれば、止められない仕組みです。
特殊戦術なので、専門的な技術が必要です。
なので練習ではひたすら繰り返し繰り返し
パターン練習を徹底的にやっています。
3年間それをやり続けているので、
チームとしては共通理解で動けます。
これがうちの強みです。
ただし、戦術はジャンケンのようなもの。
うちがグーだとしたら、
相手がパーで来ると負けてしまいます。
つまりフットサルの試合においては、
相手が何を出してきているかを掴んで、
相手がパーなら、チョキを出す
といった戦術的な変化を入れなければいけない。
グーだけでは勝てないということです。
なので、我々は、グーからチョキやパーに変化する練習もしていて、ここの精度が今の課題でもあります。
さて、弱いチームの典型の話ですが、
ここまで話した内容が全く理解されていないチームの事です。
なぜ負けたのか→個人のせい。
なぜ勝ったのか→個人のおかげ。
最終的にそういうところに落として満足しているチームは、いつまで経ってもチームとして成長しません。
この前の試合、
我々はいつも通り戦術を展開。
珍しい戦術をするので、だいたい初見では
相手はバタついていきます。
カラクリを理解しないと止めれないですから。
暫くはやりたい放題になります。
けど大抵の場合は、前半途中あたりでタイムアウトかなんかを取られて修正されてしまい、
我々のグーは防がれます。
そこから、次の戦術へ切り替えて…
という流れが普通ですが、
この相手は全くうちのカラクリを理解していませんでした。
というか、何を仕掛けられているか全く気づいていないといった方がいいでしょう。
我々は徹底的に相手の右サイドを攻略していましたが、相手ベンチからはずっとそのやられまくっている右サイドの選手に対しての罵声が飛びます。
「なにやってんだ!」
「やられるな!」
「ついて行けって言ってるだろ!」
いや、ムリですよ(苦笑)
だって戦術的にハメられてるんですから。
チームとして対応しないと個人ではどうにもなりません。
絶対ムリです。
うちはグーをずーっと出しているにも関わらず、チョキのままずーっと向かって来ている状態で、その右サイドの選手は必死の形相で頑張っていましたが、チームがチョキを出している以上はやられ続けます。
結果、前半だけで我々は3得点を奪い、
その右サイドの選手は交代させられました。
後半も全く状況は変わらず、
選手交代しても意味はありません。
グーのまま、うちが殴り続ける状態が続きました。
話はここから深刻になります。
後半途中からうちの体力が完全に切れ、
戦術が機能しなくなりました。
暑さと、登録選手不足です。
結果、試合は逆転を許し、3-4で我々の敗戦。
戦術は、あくまで勝敗の要因の一端に過ぎず、
そもそも体力が切れたら、勝てるわけありませんね。
我々としては、体力のところは課題として大きく残ったものの、戦い方に関しては間違ってないよね、という話になりますが、
問題は勝っちゃった相手チームです。
チームとして戦術的にハメられて
やられ続けていたのにも関わらず、
なぜやられてるのか全く気づかないまま、
右サイドの選手の責任にして、人を入れ変えたら、たまたまうちが後半死んで、逆転勝ちしちゃったわけです。
要はこうなると、
やっぱあの右サイドの選手が悪いだ、
で、終わりますね。完全に。
本当はそうじゃないのに。
チームとしての問題なのにね。
勝てばオールオッケー。
負ければアウト。
みたいな考え方は、ものの本質を見えなくするし、まして勝ち負けを個に委ねた戦略はチームを成長させる糧には一切なりません。
戦術面での勝ち負けが、試合の勝ち負けにたまに直結しないあたりが、スポーツの面白いところではありますが、
あのチームは、多分、暫くこの辺りの順位から出てくることはないだろうなと確信してしまいました。
うちも勝ってあげないといけなかったんですが、バテて負けるという失態。
うちはうちで情けないですが。
弱いチームの典型を見た気がしました。
残念ながら、こういうのは、
スポーツの世界だけでなく、
実社会にも、
会社にも普通にあることです。
弱いチームの典型は、
こういう本質が見えてない指導者が
率いていることにあるのです。