GW中、しっかり自分の時間が作れているなんて、初めてなんじゃないでしょうか。
学生の時は部活ですし、昨年までの職場も合宿などがありましたからね。
有り余る時間を活用し、インプットの時間にあてたいと思っています。
今回まとめるのは、デンマークでのスポーツ社会における下肢筋傷害の診断、予防、トリートメントのレビュー論文です。
すでに周知されている内容ですが、2020年1月に公開された論文でしたので、まとめてみようと思います。
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・予防
ノルディックハムプロトコル の実施が発生率を有意に低下させ、その効果量も高い。(Quality=High)
FIFA 11+ の実施が発生率を有意に低下させ、その効果量も高い。(Quality = Moderate)
・競技復帰
Lengthening hamstring exercises の効果量が高いが、研究の質が低い。 (Quality = Low)
ストレッチを1回/日よりも4回/日行うことで、高い効果量。 (Quality = Low)
内転筋群
・診断テスト
触診 による診断の効果が高い。(Quality = Low)
・予防 (グローインペインに対して)
FIFA 11+ の実施が発生率を有意に低下させ、中程度の効果量。
対象がサッカー Quality = Low
対象が様々なスポーツ Quality = Very Low
大腿四頭筋
・診断テスト
(大腿直筋に関して) 触診 による診断の効果が高い。(Quality = Low to Moderate)
修正トーマステストポジションでの 膝伸展ストレステスト による診断効果が高い。(Quality = Moderate)
・予防
FIFA 11+ 実施により発生率を低下させているが有意ではない。しかし、効果量は高い。(Quality = Very Low)
下腿三頭筋
・予防
サッカー特異のバランスプログラム を5.5シーズン行い、発生率は減少し、中程度の効果量。(Quality = Very Low)
・競技復帰
Platelet rich plasma とリハビリテーションの効果量は大きい。(Quality = Very Low)
各項目に抜けがありますが、対象とする研究が無かったり、効果が認められないものしか無かったりするようでした。
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The Danish Society of Sports ということで、サッカーの研究が色濃く反映されていました。
国の社会的背景を確認しておかないと、FIFA 11+やっておけばOKじゃん!ってなりそうですね。
その判断も絶対に間違っているというわけでもないでしょうが、心酔してしまうのも危ういような気がしています。
診断に関しても同様で、デンマークの医療体制がどのようなものなのかを知らないと、触診のみで評価すれば良いということに。。。
実際はどうなんでしょうかね、そこまで把握しきれておりません(・・;)
頻発するハムストリングスの傷害は、1つのテストからでは診断は難しいようですね。
隣接する関節や組織の影響も受けるでしょうし、どのテストも、高い効果がある。とは示しきれないようです。
楽しようとせず、いくつかのテストを組み合わせて、正しい評価を導かなくては!
また、治療に関してですが Platelet rich plasma は多血小板血漿と言われ、日本でも行える治療のようですが保険適応ではないようです。
詳しい説明は他のサイトにお任せしてしまいましょう。
気になる治療法ではありますが、現段階では、なかなか使うには至らないでしょうね。。。
それぞれの研究結果に間違いはないかと思いますが、他のスペシャルテストは?FIFA 11+以外の介入ってノルハムしかないの?と、痒い所に手が届......かない...。
この疑問は解決できるはずなので、孫文献からいろいろと覗いていこうと思います。
診断、評価の方法は、現場に活かしたいところであり、興味があります(難しい内容な気がしますがw)。
今回、評価や予防に関して、先進的な内容があるわけではありませんでしたが、それはそれで良い収穫となりました。
自分が得てきた知識でもやれることはあるということです。
もちろん、今後も学びを深める必要はありますが、頭でっかちにならないよう、自分の守備範囲内でミスなくこなしていくようにしたいと思います。
...このテンポで更新していけるといいなぁ。