妊婦用マルチビタミンが、つわりの予防に効果的、
というお話は以前ご紹介しました。
・つわりを予防したい、少しでもひどくならないようにしたい、そんなあなたへ
出来れば妊娠前からマルチビタミンを摂り、
妊娠初期に渡って飲み続けると、吐き気や嘔吐が軽減したのです。
(既に妊娠中、つわり中の方は出来る限り早く摂ると良いでしょう)
これはカナダ産婦人科学会やメイヨークリニックも推奨している定番のつわり対策法の一つです。
そして今回はその中でもビッグ3と言われる3つのビタミンについてご紹介します。
その前に、ビタミンやミネラルと、つわりの症状の関係について、例の【血糖値】という切り口からご説明します。
血糖値とつわりの関係については、過去の記事を参照下さい。
結論から言うと、血糖値を安定させることが、つわり対策の一つの重要な鍵となり、その血糖値を安定させるために、ビタミンやミネラルをしっかり摂ることが重要なのです。
なぜビタミン・ミネラルなの?
■ 肝臓での役割
なぜビタミン・ミネラルなの?
■ 肝臓での役割
肝臓は、食後一時的に血糖過剰にならないよう、糖をグリコーゲンという物質に変換して貯蔵します。そして、食間には血糖値が低下しないように、グリコーゲンを糖に分解して血糖値を保ちます。
この時、効率的な変換の補酵素として、ビタミンBや、葉酸、ミネラルが必要となります。
■ 膵臓と副腎での役割
副腎は、糖の蓄積と利用を制御するステロイドホルモンなどを作ります。肝臓が血糖値をコントロールするためには、これらのホルモンの刺激が必要となります。
そして、この副腎がホルモンを作り出す際に、特にビタミンCとビタミンB、亜鉛、そしてω3脂肪酸(オメガ3)といった栄養素が必要となります。
ミネラルの一つ、クロムも間接的に血糖値を維持します。血液中のブドウ糖を体内の細胞に入れて、血糖値を下げるインスリンの仕事を、クロムがサポートするからです。ω3脂肪酸も同様の働きを担います。
■ 脳での役割
脳はブドウ糖を燃料にしています。そのため、十分な量の糖が休み無く供給されないと、モヤモヤやめまいを招きます。
ビタミンB、特にB6と、ミネラルのマグネシウムが欠乏すると、脳は効率的にブドウ糖を使えなくなります。
ビッグ3のビタミン
1つ目は、米国産婦人科学会がつわり対策の第一選択薬としても推奨している、ビタミンB6、【ピリドキシン】です。50~300mg/日であればつわりに役立つとされています。
2つ目は、胎児の先天異常を防ぐための有効性で有名なビタミンB9、【葉酸】です。先天異常だけでなく、流産率や子どもの時期の発がん性リスクも低下させる、とした報告もあります。
3つ目は、身体の全ての細胞の代謝に関わるビタミンB12、【コバラミン】です。
そして、これら3つのビタミンBを服用したところ、妊婦の吐き気や嘔吐が軽減したのです。このビッグB3は、数多くの身体の機能を正常化させ、炎症などを抑える作用を持つことで知られています。
そして、これら3つのビタミンBを服用したところ、妊婦の吐き気や嘔吐が軽減したのです。このビッグB3は、数多くの身体の機能を正常化させ、炎症などを抑える作用を持つことで知られています。
まとめ
とは言え、ピリドキシンや葉酸、コバラミンだけをサプリとして補えば良いのかと言うと、そう言うことでもありません。なぜなら、ビタミンやミネラルなどはそれぞれが互いに影響しあっているからです。
結局、妊娠中により必要となる栄養素や、ご自身の食習慣上不足しがちな栄養素をバランス良く摂ることが最も効果的です。
そのため、ビタミンB6単品のサプリではなく、妊婦用マルチビタミンとして飲むことが推奨されているのです。
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※注意:どんなサプリや薬でもそうですが、必ず一度かかりつけ医の同意を得るようにしましょう。また、用法容量を守って正しく服用するようにしましょう。栄養素の過剰摂取も身体に悪影響を及ぼすことがあります。(ビタミンAや鉄分など)