今回は、英国版マザーリスク「Pregnancy Sickness Support」が
推奨するつわり対策をご紹介します。
このPSSは、つわり（NVP）や妊娠悪阻（HG）に苦しむ女性の
サポートやケア、治療の改善を推進する英国のボランティア団体です。
45年以上つわりの研究をし、数々の論文を発表してきた
Dr. Tony Barnie-AdsheadやDr. Roger Gadsbyなど、
医師や助産師、そして実際に重度のつわりや妊娠悪阻で苦しんだ
女性たちが中心となって活動しています。
つわりについての様々な情報を発信するだけでなく、
研修を受けたボランティアによる直接的な支援やメール、Facebook、
電話を用いたサポートなどを行い、つわりで苦しむ妊婦が孤立したり、
無知により余計な被害を被ったりすることが無いよう支援しています。
■食事療法
○つわりや妊娠悪阻に苦しむ多くの女性は、十分な栄養を摂るのが難しく、
体重も失いがちです。
→自分でまたはパートナーに手伝ってもらい、日々の症状や食事を
日記につけることは、吐き気の無い/少ない時間帯を知ったり、吐き気の
きっかけとなるトリガーを特定したり、自分の体調や食事と水分の摂取量を
把握したりすることに役立ちます。
また、吐き気フリーの時間に食事の準備をしたり、より重要な水分も摂れる
ようになるかもしれません。
○空腹感はしばしばすぐに吐き気を招きます。
→少しでも空腹感を覚えたり、吐き気フリーの時間になったら、
食事をしましょう。軽食を頻繁に食べ、満腹感を感じ始めたらすぐに食事を
終える方法が、症状を軽減する最も一般的な方法です。
○パテやレバー、柔らかいチーズ、しっかり殺菌処理されていない卵などは
潜在的に有害な細菌が含まれている場合があります。
潜在的に有害な細菌が含まれている場合があります。
→あなたが嫌悪感を抱くものや、十分に過熱殺菌処理されていない食品、
そしてピーナッツを避けてください。
あなたが食べられるもの、無性に食べたくなる物を食べると良いでしょう。
食事よりも塩味のポテトチップスの方がつわりを楽にしてくれるかもしれません。
○水分摂取量の不足は、脱水症状やつわりの悪化に繋がります。
→少量を頻繁に飲み、たくさんの水分を摂り続けることはとても重要です。
例え食べられなくても、吐き気フリーの時間を使って、水分は摂るようにして下さい。
ノンアルコールで、カフェインを多く含まないものを飲んで下さい。
一日あたりコーヒーや紅茶は3杯以上飲まないようにしましょう。
多くの女性はレモネードやフルーツドリンクが飲みやすいようです。
美味しい水もおすすめです。氷またはクラッシュアイス状にしても良いでしょう。
■栄養療法
○1日葉酸400マイクログラムを含む出生前マルチビタミンを摂って下さい。
・いくつかの研究によると、妊娠期間を通してビタミンAを過剰に摂取すると、
胎児に有害であることが示唆されています。
（1日25,000IU以上の過剰摂取は悪影響を及ぼすとされています。[米国] ）
胎児に有害であることが示唆されています。
（1日25,000IU以上の過剰摂取は悪影響を及ぼすとされています。[米国] ）
・いくつかの研究では、鉄のサプリの摂取は、つわりや妊娠悪阻を悪化させる
可能性があるとしています。
一方で、貧血気味の女性などは鉄を補うことが必要です。
○妊娠により超敏感になった鼻は、吐き気や嘔吐を誘発する最悪の敵です。
料理や脂の多い食品、コーヒー、紅茶、タバコの煙、香水などの臭いは
つわりを悪化させる最も一般的な項目です。
→臭いの影響を最小限に抑えるため、買い物や料理などの家事を
できる限り家族や友人に頼むと良いでしょう。
つわりを悪化させる最も一般的な項目です。
→臭いの影響を最小限に抑えるため、買い物や料理などの家事を
できる限り家族や友人に頼むと良いでしょう。
ニオイの少ない冷たい食べ物を食べ、できれば家族にも協力してもらいましょう。
○休息を取りましょう。出来れば横になりましょう。
・症状を楽にする第二の最も重要なつわり対策が休息です。
つわりは乗り物酔いと似ています。頭の小さな動きや歯磨きさえも
症状を悪化させます。
症状を悪化させます。
・一方で、横たわっていると症状が悪化する女性もいます。
■メンタルケア
○つわりや妊娠悪阻に苦しむ女性は、孤独や罪悪感など、
様々な感情を抱く可能性があります。
→似たような経験をしてきた他の女性の話を知ることは、
心の負担を軽くすることができます。若葉マークくらぶ
心の負担を軽くすることができます。若葉マークくらぶ
○多くの女性は、公共の場で嘔吐してしまうことを心配し、
外出を控えがちになります。その結果、社会的に孤立してしまうこともあります。
→親しい友人や家族を家に呼んだり、電話をしたり、Facebookや
メールで外の世界とコミニュケーションを取り続けることは、
孤独感や疎外感の軽減に役立ちます。
メールで外の世界とコミニュケーションを取り続けることは、
孤独感や疎外感の軽減に役立ちます。
○以前は簡単に行なえた家事や育児、仕事、自分の身の回りの世話を、
誰かに手伝ってもらえるよう頼むことは難しいと感じる女性も多くいます。
→この妊娠を機に、人の助けを必要としている事を受け入れることは、
今後の人生でも多いに役立つことでしょう。
続きはまた次回。