あなたも一度は疑問に思ったことがあるのではないでしょうか?
「一体何のために、こんなにニオイに敏感になるの?」と
それは音楽の世界で言う、絶対音感のように、
「絶対嗅覚」とでも言えるほど、まるで犬のようにニオイに超敏感になります。
しかも、大抵はそのせいで頻繁に気分が悪くなったり、
実際に吐いてしまったり、つわりの症状が誘発されるのです。
では、誰が、何のために、こんな嗅覚にしたのでしょうか?
By phalinn
その答えの一つは、
“自然界で生き残るための生存本能(適応)”にありました。
■妊娠が進むと、大きなお腹を持つ女性は、
危険から逃れる能力を失ってしまいます。
だからこそ、山火事や嵐、獣のニオイなど、
危険な状況を事前に察知して、先に逃れる必要がありました。
実際、妊娠中の動物も、嗅覚がさらに強まることで、
危険な物を事前に察知している、と言われています。
■また、女性の多くは、ニオイに敏感になるのと同時に、
味覚も変化します。
そして、今まで好んで食べていたものさえも、
食物嫌悪を起こすことがよくあります。
これに関しても、生き残るための適応であると考えられています。
近代化される以前までは、殺菌技術が未熟でした。
そのため、鳥や肉(牛・豚)、卵を通して、病原菌が胎児に感染してしまう
ことがあったのです。
ですから、こうしたリスクを回避するために、
無意識レベルで、これらの食べ物に嫌悪感を覚えるのではないか、
と言われています。
ということは、
人間が自然界で生き残っていく上で必要だった、
優れた適応能力の名残りが、
これらの超敏感な感覚なのかもしれません。