さて、これまで悪いお題を例に出して改良してきましたが、
最初から“良いお題”を作るには、どうすれば良いかを考えます。
良いお題には、実はある法則が存在します。
その法則を活用すれば、良いお題は簡単に作れるのです。
私も最初は本当にそんなものがあるのか半信半疑でした。
しかし聞いて納得、見て納得。
その法則というのが「非日常×あるある」です。
これはある方から教えてもらったものなのですが、
実際にはありえない設定と、実際によくある、またはありそうなことを
掛け合わせるということなのです。
まだピンと来ない方のために、実際に『IPPONグランプリ』で使用された
お題を例に見ていきましょう。
お題:小学校五年生のタカシくんが「さては僕、、、地球人じゃないな」
と気づいてしまった意外なキッカケとは?
これは、地球人じゃない=宇宙人という非日常の世界に、
「自分は実はこの親の子供じゃないんじゃないか?」という思春期の頃に
ありがちなシーンを掛け合わせています。
少年がなぜそう思ったのかという想像力をかきたたせ、かつ宇宙人だから
そりゃそうだと思わせる説得力が必要なので、考え甲斐のあるお題です。
お題:だらし無い選手権の決勝戦 その対決内容とは?
「だらし無い選手権」という実際には絶対にあり得ない架空の大会で、
ありそうなことが答えになるお題です。これは法則そのまんまですね。
決勝戦という言葉を付け加えることで、本当にその通りだと感じさせる
説得力が必要となり、単なるあるあるネタだけではダメだという制限を
設けていることがわかると思います。
お題:魔法使いが覚えたけど使わない魔法とは?
これは魔法使いという非日常の存在が、覚えているのに使わないという
非日常の行動をとり、それが「なるほど、ありそう」と思わせる答えが
正解となるお題で、法則が二層構造になっている深いお題だと言えます。
深いということは、それだけ面白い回答が期待できます。
このように、さすがはプロの作家さんが作ったお題だけあって、
聞いただけで既に面白くて笑ってしまいそうなものばかりですよね。
そして、きっちりこの法則に当てはまっていることがわかると思います。
大喜利でお題を考えるときは、この「非日常×あるある」の
法則を活用するようにしましょう。