2011年の東日本大震災。
原発事故後、枝野官房長官らが「直ちに影響はない」という表現を多用し、話題となりました。
「すぐではないが、そのうち影響が出る、ということか」と批判されたわけです。
この表現は、松岡圭祐の小説「千里眼シリーズ」にも出てきていました。
主人公・岬美由紀のセリフとして。
しかもこれは原発事故前の作品でのことです。
たぶん、その分野においては、定型的な言い回しだったんだろうと思います。
『千里眼 キネシクス・アイ』
(角川、2009(平成21)年3月31日発売)
p255
「被曝だって!?じゃこの部屋にも放射能が……」
「直接人体に照射されなきゃ平気よ。浴びてもただちに身体に影響が出るわけじゃないわ」