<松岡圭祐小説を時系列順に読もう~その10~>
松岡圭祐『マジシャン 完全版』(角川文庫)
『マジシャン』は、小学館版では『マジシャン』『イリュージョン:マジシャン第Ⅱ幕』という2作品があります。3作目として『フィナーレ』という作品も予告されていたようですが、いまだに発売されていません。角川からは、1作目の『マジシャン』だけ完全版として発売されています。
また完全版は、旧作に組み込まれていた「XEコンピュータ・ウィルス事件」がばっさりと削除されるなど、スリム化されています。それに伴って、白金恵子の登場シーンもなくなり、名前も出てきません。なお、『水の通う回路 完全版』には、舛城徹警部補とともにちょっとだけ登場します。
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・「どこの世界に、静粛で揺れのないドイツ車があるというのだろう」というのは、著者の自虐ネタです。
・真犯人が変更されていますが、これはどうなんでしょう。うーん。