<松岡圭祐小説を時系列順に読もう~その6~>

松岡圭祐『千里眼 運命の暗示 完全版』(角川文庫)

 本作品は『千里眼 ミドリの猿 完全版』とセットです。この『運命の暗示』が後編にあたります。
 この事情を知らず、いきなり『運命の暗示』を買ってしまった人というのはいるのでしょうか。その場合、どのように読めるのでしょうか。感想を聞いてみたいですね。

・完全版になり、後の作品で登場する「ディフェンダー」「トランス・オブ・ウォー」などの言葉が組み込まれました。
・嵯峨敏也と蒲生誠で猿島へ向かいます。東京湾観音に続き、猿島にも実際に行ってみたことがあります。
・クリフという人物、果たして後の作品に登場したか。記憶がありません。
・蒲生は「銭生才」という漢字の表記はわからなかったのではないでしょうか。千里眼シリーズを全部映像化しようとすると外国語の場面が多くなって、字幕と吹き替えばっかりの作品になりそうです。
・岬は「若松孝二監督の映画は全部見ている」とのこと。若松さんという方のことは存じ上げませんでしたが、Wikipediaによると、岬美由紀のイメージからは遠い作品もいくつか。意外でした。
・サブリミナル効果については、『水の通う回路』に載っていたネタと同じです。「アメリカ人はコーラが好き」というオチも同じです。
・「御意に」というのは松岡作品で覚えましたね。読み方もわかりませんでした。