忙しなく進む秒針に

歩調を合わせる 半径の短い車輪


タイミングを逃したら やわらかな風にさえ斬られる線路で

同じ車両に乗り合わせた背中に出会う


どこから来て


どの駅で降りるか


どこへ向かうのか


なんてことはないさ


どこまでも いつまでも いられる場所じゃない


やがては各々の場所へと 各々の駅を降りる


秒針に合わせて 車輪は回転を速めるけど


君と僕がちがうように

そんな埋められないギャップに焦って

火花を散らして 身を削るなよ


まだ 過ぎ行く景色を 穏やかに揺らしてくれ


誰かの降りる あの駅で


誰かの乗り込む この駅で


少し 摩擦熱を冷まして行こう


次 降りるのが僕の番でも


忘れ物をせずに 改札を通るから


ドアが開いてしまうまで隣に座っていてくれ