結局、リサリサと黒犬は山賊を追って彼等の砦まで到達した。
 山賊の首領と思しき剣士は何度も彼女らを追い払おうとしたが、実力では敵わず、黒犬の追跡能力を撒くことも叶わず、ついには諦めてしまったようだ。
 悪路の果てにようやく行き着いた砦は半ば崩れ落ちた石造りの遺跡を利用したもので、お世辞にも立派なアジトとは云い難い。

「山賊って、随分ぼろっちい処に住んでるのね」
 三割がた倒壊した外壁を前にして、リサリサが率直な感想を漏らす。壁の内側は所々草の茂った広場で、中心の建物以外にも、ごく小さな塔が三本程備わっている。

「雨露さえ凌げれば文句は無い。鬼が眠っているとは聞いてなかったがな。とにかくさっさと帰れ」
「鬼が出た、ってそんなに大変なことなの?」
 ――ひと口に鬼と云っても色々だ。大禍鬼が出たなら大変どころの騒ぎじゃねー。だが、こんな連中が現場でのうのうと生き延びているということは、相手の程度も推して知るべし、だ。
「こんな程度で悪かったな。我々に取っては一大事だ」
 剣士は歩きながら黒犬を一瞥した。黒犬は興味深そうに男を見返す。
 ――最初から疑問だったんだが、お前は俺が何故会話できるのか、とか気にならないのか?
「気にしてどうする? 訊いて欲しいのならそう云ってくれ」
 ――気付いていないようだから教えてやるが、俺は人間じゃない。
「道理で少し毛深いと思ったぜ。だが正味問題無い。お前らが何か訳ありなことぐらいはすぐ判る。山賊なんかやってる連中は一人の例外も無く訳ありだ。だが、我々はお互いそんなことを詮索したりはしない。重要なのは過去や生い立ちではなく、これから何を成すか、という点だ」
 ――面白いが、山賊が云うといまいち説得力が無いな。
「我々『紅蓮の鳩』は平和を愛する山賊なのだよ。軍の連中とは愛し方が違うだけだ。例えば、もしお前達が町を追われるような立場になれば、その時は仲間として迎えてやらんこともない」
 男は本気とも冗談ともつかない口調でそう云った。黒犬がリサリサを振り返る。
 ――聞いたか? 良かったな。落ち延びる先ができて。
「そうなったら、私はまるで肥溜めに咲く一輪の花ですね」
「せめて掃き溜めにしてくれないか。肥溜めには花は咲かんだろ」
「……よし、決めた!」
 リサリサが唐突に声を大きくした。少女の様子からある種の気配を察した黒犬は、何ともいえない複雑な表情を見せた。
「義によって助太刀します! 私じゃなくてこの子が!」
 びし、と少女が黒犬を指差した。
 ――そうくると思ったぜ。
「別に事情を詮索する訳じゃないんだが、お前達は一体何をやりたいんだ? 我々を殲滅するのが目的じゃなかったのか」
 ――この娘は馬鹿なんだから仕方ない。それに、突然チカラを手に入れた人間がとち狂うのは良くある事だ。
 遠くを見るような目で黒犬が答えた。その表情に浮んでいるのは、諦観の念だろうか。
「まあ、鬼退治をしてくれると云うのなら、我々としては断る理由は無い。私は『紅蓮の鳩』の首領、ルドラ・フランツだ。無論、私とてただ見ているつもりは無い」
「私はリサリサ、この子はがじちゃんです」
「よろしくな、リサガジ」
 ――勝手に名前を繋げるな。気色悪い。
「照れちゃって!」
 顔を顰めた黒犬を見て、リサリサが楽しそうに云った。
 ――なんでお前まで喜んでるんだ。
「難事件を次々と解決して行く謎の冒険者リサガジ。その正体は、一人の美少女と忠実なる黒犬のコンビだったのだ」
 ――段々、お前の妄想力に付いて行くのが困難になってきた。
「冗談はその辺にして、内部の様子を見てくるか」
 云って、男は己の剣を構えた。黒犬は男の様子を見て、ため息を一つ漏らす。
 ――正直なところ、お前の実力では足手まといにしかならねーぜ。
「ふん、あれが私の全力だと思ったか。今度は本気だ。相手が鬼なら遠慮は要らん」
 ――おいおい、本当に本気じゃなかったってのか?
 黒犬が目を剥いた。己に相対した者が、それも明らかに格下の者が、手加減をするなどとは考えても居なかった。しかし、どうもこの男は本気なのかふざけているのか、はっきりしない所がある。
「当然だ。我々『紅蓮の鳩』は平和を愛する山賊。人や家畜相手に本気は出さん」
 ルドラは薄く笑う。リサリサはそれを聞くと胸の前で両の掌を合わせ、目を輝かせた。
「凄い! かっこいい! 本番では重りを外したりするんですか?」
「なんだそりゃ?」 意味が判らない、といった様子のルドラ。「重りなんかつけてたら、腰を痛めるだろ」
 リサリサの目の輝きが急速に失われていった。
「……失望しました」
 その時、ぐらり、と軽微な揺れが地面を走った。下方から何かが崩れるような音。続いて、助けを求める声が砦の中から聞こえてきた。

 黒犬とルドラは外壁を越え、砦の中に踏み込んだ。入れ替わるようにして、中から山賊が二人走って外に出た。リサリサは砦の入口に身を寄せ、外から中の様子を窺った。
 建物内の石畳はひび割れ、歪んで波打っている。その一部は崩れ落ち、ぽっかりと穴が開いていた。穴の底は暗く、どのぐらいの深さがあるのか一見して掴めない。
「床が……地下があったとは」
 ――退がれ。上がって来るぞ。
 床下から大気を揺るがす咆哮が響いた。続いて、だん、と建物を震わす振動。次の瞬間、黒犬の言葉通り鬼が眼前に姿を現した。穴の底から軽々と跳躍し、石畳の上に降り立ったのは赤と青、対照的な肌の色を持つ二体の鬼。
 鬼達は天井や床、眼前の人間と犬を順次見渡し、冷静に状況を検分している。
「え……二匹……」
 外から見ているリサリサが呟きをもらした。
 ――二匹か。多少骨が折れるが、何とかなりそうだな。
「本当?」
 黒犬は相手を観察する。予想通り、大禍鬼や禍鬼のような強烈な存在ではない。赤と青、特徴的な、対を成す二体。おそらくは防御面で相互に得手不得手を補い合うタイプだろう、と見当をつける。
 右の青い奴は明らかに物理的な防御が脆弱で、属性防御に特化している。対して左の赤い奴はその逆。ならば、まずは自分のやりやすい相手を無力化してから、残りを片付ける。
 ――こいつからだ。
 黒犬が床石を蹴った。右の青い鬼に向かって矢のように走り、その喉を喰い千切るべく、飛び掛る。
 至近距離ならば文字通り目にも留まらぬはずの一撃。しかし全力を籠めた黒犬の攻撃は、鬼の身体を掠めることすら叶わなかった。
 ――何!?
 青い鬼の身体は中心から有り得ない角度に折れ曲がり、黒犬の攻撃を完全に回避していた。なまじ人に似た姿をしているが故に、それは予測から外れた動きだった。
 砦の石壁を蹴り、空中で姿勢を整えて黒犬が着地する。攻撃を回避された以上、見せざるを得ない一瞬の隙。その一点を最初から狙っていたかのように、赤い方の鬼が爪を振り下ろす。
 砦の暗がりの中に、血飛沫が舞った。
「がじちゃん!」
 黒犬は脱兎の如く飛び退り、再び鬼と間合いを取っていた。持ち前の反射神経と強靭なバネで窮地を脱した黒犬だったが、鬼の爪を避けることは叶わなかった。致命傷こそ負わなかったものの、左脇腹から後肢にかけて二筋、大きく肉が裂かれている。あふれ出る血液は黒い毛並みをじっとりと濡らし、てらてらと光らせていた。
 ――成る程……こいつら、見た目と反対だ。
 左前肢に散った自らの血液を舐め取り、黒犬が呟いた。防御の弱そうな青が“技法回避”専門、頭の悪そうな赤が“術式回避”専門。一見して判る防御面での差異は誘いの罠、という仕組み。
 ふざけた奴らだ、と黒犬は独りごちた。
 体毛を重く濡らした血液が、ぼとりと零れて床石の上に水溜りを作る。
 リサリサが声にならない悲鳴を上げた。砦の中に駆け込もうとする彼女を、即座に黒犬が制止する。
 ――入ってくるな。お前がいると余計にヤバイ。
「でも、血が……」
 ――黙ってろ。
 反射的にそう突き放してから、黒犬は自分の頭に血が上っていることを自覚した。
 自分の身体を傷付けられたことに対する怒り。そしてそれ以上に、相手を軽視して見事に術中に嵌った自分の軽率さに対する憤り。
 黒犬は一つ深呼吸をして、自制心を取り戻す。これ以上の失態は、それこそ許せない。
 ――悪かった。一旦外に出よう。
「そうだな。砦が崩れたら危険だ。嬢ちゃんはうんと遠くに行ってろ」
 リサリサが無言で頷く。ルドラは二体の鬼に剣を向けたまま、じりじりと後退を始めた。



 五味は山間渓流を抜けた時点で、街道から外れた。
 見晴台の方には向かわず、わざわざ荒れた岩地へと足を踏み入れる。進む先は山頂方面とは反対で、渓流を外側に大回りして麓へ戻るような形になる。
 既に山賊達の姿は無い。だが、それと知って観察すれば、岩地に人が歩いた形跡があるのは明らかだった。
 岩地に残された痕跡を追って進む内、遠くから誰かの叫び声が五味の耳に届いた。ほんの僅かだが、何かの振動が地面を伝わって来たのも感じる。
(……何だ?)
 向かう先は山賊の砦のはず、それなのに、妙に厭な気配を感じる。捩れた概念。穢れた存在。それはまるで、鬼の気配だ。
 やがて、荒地の先に半ば崩れた石造りの砦が見えてきた。外壁付近には数人の山賊の姿もあったが、奇妙な事に皆一様に砦の中に注意を向けている。
 どうやら、外から接近する者より中を気にしなければならないような事態が起きているようだ。
 五味は砦までの距離を一気に駆け抜け、外壁の切れ目に立った。山賊たちは途中でそれに気付いたが、もはや誰も五味の接近を止めようとはしなかった。
 壁の内側を見る。
 歪んだ石造りの砦。それを取り巻く数名の山賊と、黒く開いた入口に向いて立つ剣士と黒犬。そして敷地の片隅からそれを見つめる少女。
 衆目の中、縦に長い砦の入口からソレが無造作に姿を現した。矢張り、先ほど感じた気配は間違いではなかった。鬼だ――それも、二体。
 だが、直に姿を眼にして感じるその気配は大禍鬼のような強大な物ではない。この程度なら、人の身であっても充分勝ち目はある。
 ――よお、また会ったな。
 匂いでもしたのだろうか。黒犬が五味の方を軽く振り向いて目配せした。いつも通りの軽い調子だが、犬の身体に刻まれた痛々しい傷は遠目にも良く判った。
「ルドラさん、この人も頼りになります!」
 黒犬のその声で五味に気付いたリサリサが、剣士に大声を掛けた。
「加勢なら誰でも大歓迎だ。来るぞ」
 ルドラと呼ばれた剣士が背を向けたまま云った。何が何だか判らないが……鬼を前にしてやるべきことは、一つしかない。

vs 対成す鬼

陽鬼ヨスア 1980/1980
陰鬼ヨスニス 1970/1970

五味 931/931 再生
クォッチ 666/666 隠密
クレティウス 745/745 再生
GEO 673/673
リサリサ&ガジ 280/500 幻影
ルドラ 290/290

リサリサ&ガジの攻撃!ファングラッシュ!
陽鬼ヨスアは60ダメージ!ダウン!

GEOの攻撃!ヘイスト!
リサリサ&ガジはアウェイク!
GEOは荷重が8減少!アウェイク!
クォッチは荷重が10減少!アウェイク!
ルドラは荷重が20減少!アウェイク!
クレティウスは荷重が40減少!アウェイク!
五味は荷重が37減少!アウェイク!

電磁の力場が10になった
クォッチの攻撃!イーサヴォルテクス!
2連携! 陽鬼ヨスアはなんともない!
2連携! 陰鬼ヨスニスは魔力が94減少!

ルドラの攻撃!スプラッシュウェイヴ!
陽鬼ヨスアは81ダメージ!ウェット!

陽鬼ヨスアの攻撃!ポイズンスクラッチ!
リサリサ&ガジは266ダメージ!ダウン!
GEOは251ダメージ!ダウン!
クォッチは278ダメージ!ダウン!
ルドラは229ダメージ!ダウン!
クレティウスは209ダメージ!ダウン!
五味は155ダメージ!ダウン!

陰鬼ヨスニスの攻撃!アイスピラー!
2連携! リサリサ&ガジは88ダメージ!リフト!
リサリサ&ガジは倒れた!

クレティウスは再生する!
クレティウスは74回復!
クレティウスの攻撃!フォースシールド!
GEOは防御力が30増加!アウェイク!
クォッチはアウェイク!
ルドラは防御力が40増加!アウェイク!
クレティウスは防御力が44増加!アウェイク!
五味は防御力が29増加!アウェイク!

五味は再生する!
五味は93回復!
五味の攻撃!フォースシールド!
2連携! GEOはアウェイク!
2連携! クォッチはアウェイク!
2連携! ルドラはアウェイク!
2連携! クレティウスは防御力が16増加!アウェイク!
2連携! 五味は防御力が36増加!アウェイク!



陽鬼ヨスア 1839/1980
陰鬼ヨスニス 1970/1970

五味 869/931 再生
クォッチ 388/666 隠密
クレティウス 610/745 再生
GEO 422/673
ルドラ 61/290

電磁の力場が20になった
クォッチの攻撃!プロテクションダーク!
3連携! クォッチは闇耐性が56増加!暗闇耐性!
3連携! GEOは闇耐性が56増加!暗闇耐性!
3連携! ルドラは闇耐性が86増加!暗闇耐性!
3連携! クレティウスは闇耐性が56増加!暗闇耐性!
3連携! 五味は闇耐性が40増加!暗闇耐性!

GEOの攻撃!キュアライト!
クォッチは278回復!
GEOは251回復!
ルドラは229回復!
クレティウスは135回復!
五味は62回復!

ルドラの攻撃!ムーランルージュ!
ルドラの攻撃!白銀の円弧!
クリティカル! 陰鬼ヨスニスはなんともない!
クリティカル! 陽鬼ヨスアは108ダメージ!リフト!
ルドラの攻撃!紅蓮の追撃!
陰鬼ヨスニスは98ダメージ!ダウン!燃焼!
2連携! 陽鬼ヨスアはなんともない!

クレティウスの攻撃!スロウ!
陰鬼ヨスニスは荷重が40増加!
陽鬼ヨスアはなんともない!

五味の攻撃!ガードスタンス!
五味は防御力が75増加!囮!

陰鬼ヨスニスは燃焼する!
陰鬼ヨスニスは197ダメージ!
陰鬼ヨスニスの攻撃!ポイズンクラウド!
クォッチは37ダメージ!
GEOは28ダメージ!
ルドラは9ダメージ!
クレティウスは16ダメージ!
五味は6ダメージ!

陽鬼ヨスアの攻撃!ダーズルブレイク!
五味は51ダメージ!囮解除!
ルドラは125ダメージ!



陽鬼ヨスア 1731/1980
陰鬼ヨスニス 1675/1970

五味 874/931 再生
クォッチ 629/666 隠密
クレティウス 729/745 再生
GEO 645/673
ルドラ 156/290

電磁の力場が30になった
クォッチの攻撃!ヒーリングフィールド!
クォッチは37回復!アウェイク!
クレティウスは16回復!アウェイク!
ルドラは134回復!アウェイク!
GEOは28回復!アウェイク!
五味は57回復!アウェイク!

クレティウスの攻撃!キャンセレイション!
2連携! 陽鬼ヨスアは同調が60減少!
2連携! 陰鬼ヨスニスはなんともない!

ルドラの攻撃!ブランシュネージュ!
クォッチはアウェイク!
クレティウスはアウェイク!
ルドラはアウェイク!
GEOはアウェイク!
五味はアウェイク!

GEOの攻撃!ブレスウェポン!
2連携! クォッチは攻撃力が24増加!アウェイク!
2連携! クレティウスは攻撃力が78増加!アウェイク!
2連携! ルドラは攻撃力が70増加!アウェイク!
2連携! GEOは攻撃力が10増加!アウェイク!
2連携! 五味は攻撃力が55増加!アウェイク!

五味の攻撃!キュアライト!
3連携! クォッチはなんともない!
3連携! クレティウスはなんともない!
3連携! ルドラはなんともない!
3連携! GEOはなんともない!
3連携! 五味はなんともない!

陽鬼ヨスアの攻撃!シンメトリックジョルト!
クォッチは251ダメージ!ダウン!
クレティウスは175ダメージ!ダウン!
ルドラは154ダメージ!ダウン!
GEOは178ダメージ!ダウン!
五味は86ダメージ!ダウン!

陰鬼ヨスニスの攻撃!シンメトリックジョルト!
2連携! クォッチは227ダメージ!ダウン!
2連携! クレティウスは121ダメージ!ダウン!
2連携! ルドラは116ダメージ!ダウン!
2連携! GEOは137ダメージ!ダウン!
2連携! 五味は45ダメージ!ダウン!



陽鬼ヨスア 1731/1980
陰鬼ヨスニス 1675/1970

五味 800/931 再生
クォッチ 188/666 隠密
クレティウス 449/745 再生
GEO 358/673
ルドラ 20/290

GEOの攻撃!エンチャントウェポン!
GEOは魔力が36増加!アウェイク!
クレティウスはアウェイク!
ルドラは魔力が55増加!アウェイク!
クォッチは魔力が34増加!アウェイク!
五味はアウェイク!

クレティウスは再生する!
クレティウスは74回復!
クレティウスの攻撃!ヒーリングフィールド!
2連携! GEOは315回復!アウェイク!
2連携! クレティウスは222回復!アウェイク!
2連携! ルドラは270回復!アウェイク!
2連携! クォッチは458回復!アウェイク!
2連携! 五味は131回復!アウェイク!

ルドラの攻撃!プラズマブレード!
2連携! 陰鬼ヨスニスは429ダメージ!

電磁の力場が40になった
クォッチの攻撃!エンチャントウェポン!
GEOは魔力が39増加!アウェイク!
クレティウスはアウェイク!
ルドラは魔力が5増加!アウェイク!
クォッチは魔力が36増加!アウェイク!
五味はアウェイク!

五味の攻撃!ヒーリングフィールド!
2連携! GEOはアウェイク!
2連携! クレティウスはアウェイク!
2連携! ルドラはアウェイク!
2連携! クォッチは20回復!アウェイク!
2連携! 五味はアウェイク!

陽鬼ヨスアの攻撃!シンメトリックブラスト!
五味は411ダメージ!ダウン!

陰鬼ヨスニスの攻撃!シンメトリックジョルト!
GEOは93ダメージ!ダウン!
クレティウスは78ダメージ!ダウン!
ルドラは75ダメージ!ダウン!
クォッチは142ダメージ!ダウン!
2連携! 五味は46ダメージ!ダウン!



陽鬼ヨスア 1731/1980
陰鬼ヨスニス 1246/1970

五味 474/931 再生
クォッチ 524/666 隠密
クレティウス 667/745 再生
GEO 580/673
ルドラ 215/290

電磁の力場が50になった
クォッチの攻撃!スロウ!
陽鬼ヨスアはなんともない!
陰鬼ヨスニスは荷重が38増加!

ルドラの攻撃!雷の刻印!
ルドラはなんともない!

GEOの攻撃!ヒーリングフィールド!
クォッチは142回復!アウェイク!
ルドラは75回復!アウェイク!
GEOは93回復!アウェイク!
クレティウスは78回復!アウェイク!
五味は257回復!アウェイク!

クレティウスの攻撃!ソニックスティンガー!
2連携! 陰鬼ヨスニスはなんともない!

五味は再生する!
五味は93回復!
五味の攻撃!ブレスウェポン!
クォッチはアウェイク!
ルドラはアウェイク!
GEOはアウェイク!
クレティウスは攻撃力が37増加!アウェイク!
五味は攻撃力が25増加!アウェイク!

陽鬼ヨスアの攻撃!シンメトリックジョルト!
クォッチは248ダメージ!ダウン!
ルドラは149ダメージ!ダウン!
GEOは166ダメージ!ダウン!
クレティウスは173ダメージ!ダウン!
五味は86ダメージ!ダウン!

陰鬼ヨスニスの攻撃!シンメトリックブラスト!
2連携! 五味は336ダメージ!ダウン!



陽鬼ヨスア 1731/1980
陰鬼ヨスニス 1246/1970

五味 402/931 再生
クォッチ 418/666 隠密
クレティウス 572/745 再生
GEO 507/673
ルドラ 141/290

電磁の力場が60になった
クォッチの攻撃!サンダーテンペスト!
陽鬼ヨスアはなんともない!
陰鬼ヨスニスは2258ダメージ!
陰鬼ヨスニスは倒れた!

ルドラの攻撃!ストームコーザー!
陽鬼ヨスアはなんともない!
陽鬼ヨスアはなんともない!
陽鬼ヨスアはなんともない!

GEOの攻撃!アイソレイション!
陽鬼ヨスアはなんともない!

クレティウスは再生する!
クレティウスは74回復!
クレティウスの攻撃!レインショット!
陽鬼ヨスアは1625ダメージ!

五味は再生する!
五味は93回復!
五味の攻撃!ジェノサイド!
陽鬼ヨスアは1689ダメージ!
陽鬼ヨスアは倒れた!


 二体の鬼が地に臥した。地面に衝突した鬼の身体は腐肉の如く融解し、湿った音を立てて体組織を撒き散らした。それが形を留めていたのも僅かな時間でしかなく、やがて鬼の肉体は自重で崩れ去るように溶けて広がり、地面に黒い染みだけを残して完全に消え去った。
「がじちゃん! 大丈夫!?」
 リサリサが黒犬に駆け寄る。鬼の爪で刻まれた傷からは、まだ血が流れ出ていた。
「おい、誰かこの犬の手当てをしてやれ」
 ――必要ない。舐めときゃ治る。
「遠慮するな。こんな連中でも応急処置ぐらいはできる。ダフ、お前が良いだろう」
 ルドラの指示を受け、禿頭の男が中心の砦とは別の小さな塔へ駆け込んだ。幾らも待たない内に、男は水桶とガーゼを持ってきて犬の傷口に応急処置を施し始める。傷口を水で洗われた黒犬は顔を顰めたが、特に文句も云わずされるがままになっていた。禿頭の男はこういう処置に慣れているのか、手際良く傷を清め、大量のガーゼを当てて包帯で固定した。
「これで血が止まれば平気だと思うッス。ちょっと傷が深いから、本当は縫った方がくっつきが良いかも知れないッス」
 ――それこそ必要ない。もう充分だ。
「あの、有難うございます」
「礼を云うのはこっちの方ッス。正直自分達だけではあの鬼の相手はできなかったッス。助かったッス」
 リサリサと禿頭が互いにぺこぺこ礼を交し合う。
「そっちの助っ人にも礼を云うべきかな?……と思ったら、お前はあの時の冒険者じゃねーか。どうなってんだ?」
「どうなってるんでしょう?」
 ルドラの疑問に、リサリサも続いて首を傾げた。
(…………)
 どうなっているのか聞きたいのはこっちの方なのだが……。



 五味は今日起こった事態について、ルドラとリサリサから一通りの説明を受けた。黒犬はその間、もっぱら茶々を入れる役に徹していた。
 少女が山賊退治を企てたこと。山賊の後を追って砦までやってきたこと。そして、何の脈絡もなく少女が鬼退治を申し出たこと。
 説明された少女の行動には一貫性が無く、支離滅裂なものだった。しかし、本人もそう云っているのだから信じるよりない。
 ついでに、犬の名前ががじちゃんだという事も教えてもらった。そういえば前に会った時はお互い名乗らなかった気がするので、五味も自分の名を告げておいた。
 後はこの山賊砦をどう扱うかだが……。
「それじゃ、私は帰ります。この場所のことは、しっかり通報しておきますから!」
 リサリサは臆面もなくそう云った。自分から山賊を襲っておいて後から助太刀し、最後にはやっぱり通報するらしい。
「さっさと帰って軍にでも何でも報せるが良い。場所を知られた以上、どうせこの砦は早晩放棄する」
 事実、周囲の山賊たちは誰に云われるでもなくテキパキと動き回り、既に撤退の準備を始めているようだった。
「お嬢ちゃんの方はこれ以上余計な事に首を突っ込まないことだ。お友達がそういう目に遭うのが厭ならな」
 ルドラが顎をしゃくって黒犬を示す。包帯を巻かれた犬の姿を見て、少女は小さく肯いた。真っ白だった包帯には、微かに血が滲んで浮き出しつつある。
「ダフさん、がじちゃんの手当てを有難うございました。五味さんも加勢してくれて助かりました」
「気をつけて帰るッス」
「山賊の皆さんもお元気で。もうシレネの近くには出てこないで下さいね!」
 リサリサは禿頭を含む数名に見送られながら、黒犬を従えて町へと戻って行く。途中で一度だけ振り返り、大きく手を振った。何人かの山賊がそれを見て手を振り返す。
 一見普通のお別れだが、手を振っているのが山賊だということを考慮すると実に間抜けな光景だった。
「我々に向かって『お元気で』は無いだろ 」
 ルドラは少女の背を見送りながら、思い出したように苦笑して五味を振り向いた。
「あのお嬢ちゃん、ちょっと拙いな。好く云えば無邪気だが、悪く云えば馬鹿だ。あの位の歳で恵まれた暮らしを送ってきたなら仕方が無いかも知れんが、人の悪意に関して想像力が欠如している。例えば、我々が砦に戻ったのは罠だったかも知れない。あるいは、この禿は手当てのふりをして犬に毒を塗ったかも知れない」
「塗ってないッス」
 禿頭の男が答えたが、ルドラは無視して先を続けた。
「そうした可能性について、最初から一切考えてもいないのが問題だ。あの犬が保護者をしている間は平気だろうが、まだ何かやらかしそうな気はするな」
 そんな事を話している間に、リサリサと黒犬の姿は見えなくなった。何となく少女を見送っていた山賊達も、三々五々各自の作業に戻って行く。
 ルドラは無言で軽く片手を上げると、五味に背を向けた。それは別れの挨拶だったようで、彼はそのまま振り返りもせず砦の中へと歩み去ってしまった。
(さて……)
 この山賊達を更に追及するという手もあるのだろうが、どうも今ひとつ気乗りしない。元々個人的には然程脅威に感じていなかった所為もあるだろう。砦の所在についてもリサリサが軍に連絡するようだし、それに任せて放置とするか。
 実にくたびれ損な結果になったが、とりあえず五味は街へと戻る事にした。

 700ポイントの経験値を得た。

五味はレベル65にレベルアップした!
クォッチはレベル65にレベルアップした!
クレティウスはレベル65にレベルアップした!
GEOはレベル65にレベルアップした!

──End of Scene──
うーん、やはり対成す鬼は強いです
単体攻撃はどちらに飛ぶか分からないわ、攻撃力が高いわ、状態異常にしてくるわ、囮を解除してくるわ...
なかなかいい勝負でした。

陽鬼ヨスア HP:1980
1 ポイズンスクラッチ(敵全体ダメージ+ダウン+毒)
2 ダーズルブレイク(敵単体ダメージ+囮解除×2)
3 シンメトリックジョルト(敵全体ダメージ+ダウン+対地)
4 シンメトリックブラスト(敵単体ダメージ+ダウン+対地)
5 シンメトリックジョルト

陰鬼ヨスニス HP:1970
1 アイスピラー(敵単体ダメージ+リフト+対地)
2 ポイズンクラウド(敵全体闇ダメージ+毒)
3 シンメトリックジョルト
4 シンメトリックジョルト
5 シンメトリックブラスト

ルドラ HP:290 荷重:20
1 スプラッシュウェイブ(敵単体物理ダメージ+ウェット)
2 ムーランルージュ(下記2連続)
  白銀の円弧(敵全体物理クリティカルダメージ+リフト)
  紅蓮の追撃(敵全体炎熱?ダメージ+ダウン+燃焼+対空)
3 ブランシュネージュ(味方全体回復?+アウェイク)
4 プラズマブレード(敵単体電磁ダメージ)
5 雷の刻印
F ストームコーザー

陽鬼は術式無効、陰鬼は物理無効
陽鬼、陰鬼共に荷重30程度
敵の攻撃は全てPSに魔力が関わっている?(陰鬼ヨスニスからのダメージ的に)

というかヘイストを使わなければ連携されなかったんじゃ...(ノ∀`)アチャー

PT構成:パラディン、シャーマン、ライフガード、セイクリッドテリア