昨日まで通勤のお供だった本はこちら。

 

 

 

 

「僕が発達障害だからできたこと」

 

 

by市川拓司

 

 

ご存知の方も多いかもしれません。

 

 

映画でも公開された、

 

 

「いま、会いにいきます」

 

 

を書かれた作家さんが自身の障害について考察した内容が記載させています。

 

 

市川さんは、学校ではずっと

「困った子供」「間違っている生徒」「問題児」

と呼ばれておりました。

多動があり、高いところに登っては飛び降りるという行為を繰り返していたといいます。

 

 

社会人になってからも問題行動を起こし、

周りからは「間違っている」と言われ続けました。

 

 

今から12年くらい前に自分が「障害」だということが分かります。

障害名は、アスペルガー障害とADHD(注意欠陥・他動性障害)。

その他、パニック発作や全般性不安障害、睡眠障害、自律神経症状などを抱えています。

 

 

そんな中でも、ご両親が市川さんを深く愛することにより、

彼は多幸感を抱き、

たとえ周りから「間違っている」と言われても、

人は多様性があるからそんなもんだ、

「偏り」こそがぼくの個性と、

自身を分析されています。

 

 

市川さんは、この本で自分自身を、詩人のような独特な表現を用いて分析しています。

 

 

例えば、ぼくは「人間の原型」である

ぼくは「テナガザルの原型」である。

 

 

テナガザルは、夫婦と子供2匹を一単位として暮らし、自分のテリトリーで暮らしている。

他の家族と交わることなく、家族を優先するマイホーム主義原始人。

相手にするのは、一人か二人、多くて三人、これぐらいの人間関係でうまく機能する脳。

 

 

そんな環境に見合った脳だとすれば、ぼく(市川さん)が社会性に欠けるのは当然のこと。

 

 

他者との軋轢に対する耐性が基本的には人から離れていようとする。

 

 

など。

 

 

下の文章を読んでいて、これが彼の持つ自己肯定感なのだなと感じました。

 

 

「自分が抱えているあれやこれや―違っていることや、弱いことや、下手くそなこと―そのすべてがエラーなんかじゃなく、きっと意味があることなんだ、ってそう思えて仕方ない」

 

 

私も、市川さんと同じように幼いころから「変な子」「変わった子」という扱いを受けていました。

かといって、市川さんのように自己肯定感を持てず、

今でも「自分は間違っている」「自分ははぐれものであり異端者」だと思っているので、そこから「それはきっと意味のあること」という文章には、目から鱗が落ちました。

 

 

今でも、うつや対人恐怖、パニック障害、全般性不安障害、神経症、自律神経失調症といった障害を抱えていますが、それを「多様性」であり、「きっと意味のあること」と少しでも自分を肯定できるようになれたらと思いました。

 

 

市川さんの文章は表現が豊かで、読んでいると、まるで音楽が流れていて、それを心地良く聞いているような、そんな気持ちになりました。

 

 

ご興味ありましたら、ぜひ読んでみてください。

 

 

作家になるまでの道のりなども書いてあります。

作家としてのデビュー方法がまたすごいんです。

他にも、市川さんの才能があふれた作品(文章ではなく)の紹介もされていますよo(^-^)o