医学部学士編入試験において最重要科目とされているのは「生命科学」だ。
英語の偏差値上位層の合格率以上に生命科学の偏差値上位層の方が合格率が高い。
英語の偏差値が55前後であっても、生命科学の偏差値が60以上あれば合格圏内に入ることができるとも言われているのではないだろうか。
しかし、実際に合格を経験してから思ったのは、聞いていた以上に英語の重要度は高いのではないかということ。
高い英語力がなければ筆記試験を通過できない大学は複数ある。
私が受験した中では、神戸、千葉、富山あたりがよく当てはまる。
もちろん、それら大学(特に神戸と千葉)については生命科学の知識も必要ではあるが、高い英語力がなければ門前払いである。
問題がすべて英語であるし、神戸や富山については要約問題も出題された。
他の大学については、生命科学、物理・化学などの科目があるために英語の重要度は下がるかもしれないが、合格するためには高い英語力を要することに変わりはない。
浜松では、英作文の出題もあり、難しいと感じた受験者も多かったのではないだろうか。
しかし、合格を勝ち取るためは、そういった問題で点数を稼ぐことが非常に効果的である。
何よりも筆記試験でぶっちぎりの点数をとることが合格への近道であり、そのためには他の受験者が難しいと感じる問題に正解することが最も効果的だからである。
私は、浜松の英語で他の受験者との差を付けられたと考えている。
英作文にも対応できた。
一方、富山については、おそらく配点の高いであろう要約問題でつまずき、筆記試験通過を逃した。
神戸では、富山の反省を活かして要約問題に正しく解答できたことが合格に大きく貢献したと思う。
千葉についても、英語ができれば筆記試験の合格率は非常に高くなる。

このように、医学部学士編入試験における英語の重要性は高い。
言い換えれば、英語力を高めることで合格にかなり近づける大学も複数あり、また、筆記試験でぶっちぎりの成績を得るには高い英語力が必須だということである。
では、どのよに英語力を高めれば良いのか?
私の経験の範囲内でその質問に答えてみたい。

まずは、単語力。
この重要性を改めて記述する必要はないだろう。
単語力を伸ばすためには、学習者自身にとって最適の暗記法を早く見つけ出すということが大切だ。
私にとって最も効果的だった方法を紹介する。
①問題集、過去問、模試など、解いたすべての長文問題について、知らなかった単語をExcelに書き出して、英単語と日本語訳とを併記した一覧表を作成し、毎日、その一覧表を眺めることを繰り返した。
②①の一覧表の英単語と日本語訳を声に出し、携帯用録音機で録音し、通勤途中(主に朝)にそれを聞いた。
なぜか自分の声だとよく記憶された。

続いて、読解力。
これには、和訳力、要約力も含まれるとする。
KALSの医学英語を受講したことで、医学部学士編入試験で求められる英語レベルを把握できた。
また、初めて要約問題解答のポイントをここで学ぶことができた。
各パラグラフの最初または最後の一文が重要だということ。
受験2年目、Z会の医学部受験用の英語を受講し、和訳力を高めた。
実際に添削を受けることで確実に力をつけられた。
受験3年目、英単語力の向上に再度専念した。
4月くらいまでは、TOEFL&TOEICの点数を伸ばすことを最重要課題とし、単語力の向上が必須だったことと、やはり単語力が読解力を高めるために最重要だと考えていたからである。
実は、このTOEFL&TOEIC対策への取り組みが英語力向上を加速させた。
両試験とも高得点取得には高い単語力と読解力(速読力)を要する。
そのため、両試験での毎回の成績が自分の到達レベル(単語力&速読力)を把握するために役立った。
ちなみに、TOEFL80点、TOEIC900点を目標にしていた。
最終的に、TOEFL61点→77点(reading, writingでの得点が大きくup)、TOEIC650点→840点まで成績は上がった。
また、通勤途中でTOEIC対策として特急シリーズの問題集に取り組んだ。
速読力をupさせ、単語力の向上にもつながった。
なにより、短い通勤時間で効果を得られたのは非常に良かった。
模試では、安定して偏差値60以上を取り、良いときには67くらいのときもあった。
受験直前には、各校過去問を3年分は解いた。
時間を計っての取り組みが大切。

最後に、英作文。
TOEFLのwriting対策、Z会、そして会社での業務経験が役立った。
特別な勉強をしたことはなく、仕事柄英語に触れる機会が多いということが活きた。

使用したお役立ち参考書&問題集は以下の通り。
・ KALSテキスト
・ KALS模試
・ web TOEFL
・ TOEIC対策問題集(特急シリーズ)
・ 各校過去問
・ Z会