“大沢在昌” 『海と月の迷路』、book | No pain!,No gain! by #15K.U

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“まかぬ種は生えぬ” “労なくして益なし” “痛みを持って陣地を得る”
2012/06以降、継続的な“run” や“trailrun” に目覚めた事と
高校・大学でのRugbyの記憶がcross overする。そして、
OVER50でこれからも“pain”&“gain”の人生でありたい…



“大沢在昌” 『海と月の迷路』

内容紹介

第48回 吉川英治文学賞受賞作!

大沢在昌の新境地! 戦後復興期の軍艦島を舞台に
描かれる壮大な「密室」エンターテイメント!!

昭和34年。
海に閉ざされた炭坑の島で
満月の夜に一人の少女が不審死を遂げた。
殺人事件を疑う若き警察官・荒巻の“許されざる捜査"は、
しきたりや掟に支配された島に波紋を広げていく。
暴かれていく人びとの過去、
突きつけられる「警察官不適格」の烙印。
いま警察の正義は守られるのか。
次の満月、殺人者はふたたび動き出す――。


~後記より~

この物語の舞台となったN県H島のモデルは、
長崎県長崎市の西南沖十八キロに位置する端島である。
その形状から「軍艦島」と呼ばれ、
一九七四年に閉山されるまで、
炭鉱の島として稼動していたが、現在は無人島となっている。



“新宿鮫シリーズ” で有名な作者です。。。


実はこのシリーズは読んだことがなく、

“獣眼”“冬芽の人” なんかを読んで気に入っています。


この物語の舞台は “軍艦島” をモデルにされていますが、

物語はもちろんフィクションで、


この島で殺人事件が起こった事実はないそうです。。。


この本を読むまでは詳しくは知りませんでしたが、

島の名前と

昔は炭鉱の島が今は無人島で、

船で訪れる観光地になっていることは、

旅のガイドブックで見たことはありました。。。



時代は昭和34年…私が生まれる1年前。。。


しかしそれは、

あまりに特殊な小さくニッチなシュチュエーションです。。。


南北480㍍、東西480㍍しかない島に5千百人もの人々が、

ひしめき合う島です。。。


これでも元々は岩礁だけの島だったものを

石炭の採掘とともに掘り出されるボタ石で海を埋めて、

大きく拡げていったそうです。。。


大正時代に最初の鉱夫用の社宅が建てられたそうですが、

その後、

鉱夫と家族の増加で次々と社宅や生活に必要な施設が、

建設されていったそうです。。。


なにせ狭い島ですから建物は土地の有効利用ということで、

当時としてはたぶんとても珍しい高層建築で、

小学校などはなんと6階建てだったそうです。。。(*_*)



特殊なのは島の外見だけでなく内部はもっと特殊です。。。


島には5千百人もの人が住んでいながら、

炭鉱だけの島ということで住人の分類はほぼ4つだけです。。。

①職員(炭鉱会社社員)
②鉱夫(石炭を24時間3交代で掘り続ける)
③組夫(石炭を掘ること以外の雑務)
④公務員(警察・役所・教職員ほか)


こんなに特殊な環境下の

極めて歪な人間関係と衆人環視の島で、

少女の不審な事故死が発生します。。。


いやぁ~面白かったです…お勧めです。。。(^_^)v


島の事件が、

混乱の戦時中に東京で起こった連続少女殺人事件にも

繋がっていきます。。。


“東京” “釣果” が鍵を握ります。。。



私は釣り好きですが、

すっかりやられてしまいました。。。(*´Д`)=з