“佐々涼子” 『エンジェルフライト』、book | No pain!,No gain! by #15K.U

No pain!,No gain! by #15K.U

“まかぬ種は生えぬ” “労なくして益なし” “痛みを持って陣地を得る”
2012/06以降、継続的な“run” や“trailrun” に目覚めた事と
高校・大学でのRugbyの記憶がcross overする。そして、
OVER50でこれからも“pain”&“gain”の人生でありたい…



“佐々涼子” 『エンジェルフライト 国際霊柩送還士


以前、

新聞広告を見て気になっていた本です。。。


海外で亡くなった日本人や日本で亡くなった外国人を母国へ

送還する仕事。

このような仕事や会社が専門的に存在する事を初めて知りました。。。


また、

海外での処置が十分でなかったり、

飛行機での輸送に伴う気圧の変化で、

ご遺体の腐敗や損傷が進んだり、

加えて、

亡くなった方々の中には、

事故や事件で生前には無かった傷や解剖痕があったり、

原形をとどめないケースも少なくないようです。。。


そんな時に、

ご遺体の傷みを防いだり、傷を隠したり、損壊部位を修復したり、

血色や表情まで生前に近づけるのが、

“エンバーミング” と呼ばれる技術のようです。。。


元々、

火葬を行う日本では馴染みが薄く、

土葬習慣のある国で、特にアメリカでの認知やレベルが高く、

古くは “南北戦争” の時代に長距離で長時間のご遺体の輸送の際、

必要に迫られて発達して行ったそうです。。。


私も “死に化粧” と言う言葉や

映画 『おくりびと』 で見た程度の事は知っていましたが、

時間経過や環境により痛ましく変化したご遺体の状況や

その状況をご遺体や遺族のために少しでも改善しようとする人や

事件・事故により損壊した部位をパスポートの写真を見ながら

少しでも生前に近づけようとする人がいる事…

また、そのような業がある事に小さな驚きを感じました。。。


“ママが遺体にキスできるように。
それが彼らの仕事。”



私も53歳で両親も傘寿を迎え、

なんとなく 『死』 というものが身近に感じられるようになって来ました。

しかし、

今まで本当に身近な人のお葬式に参列した経験は少なく、

事件・事故や自死で亡くなった方への参列は皆無です。。。


そういう意味では、

身近な人が亡くなる本当の辛さや、

突然、

何の前触れも無く親しい人を失った悲しみとかを体験したことが

ありません。。。


が、

登場する “エアハース・インターナショナル” の社員さん方の

少しでもご遺体との対面を喜んでもらいたいとひたすら願い、

目立たずひっそりと遺族に寄り添い、

何も発せず懸命に遺族を支える姿勢には感服してしまいます。。。


“親を失うと過去を失う。
配偶者を失うと現在を失う。
子を失うと未来を失う。”


「私の顔を見ると悲しかった時のことを思い出しちゃうじゃん。
だから忘れてもらったほうがいいんだよ。」

“だからこそ、きちんと悲しんでもらいたい。
きちんと悲しんで、ちゃんとお別れをする時間のために、
心を尽くしたい。
そして、最後は忘れていってほしい。その悲しみと一緒に。”



読み終えて、

人に感謝される立派な仕事であると共に、

素晴らしい志を持ったチームやなぁと思いました。。。


それと、

残された人に悲しみだけでなく、

大きな後悔まで残してしまう “自死” は絶対いかんと思いました。。。




★『素敵な言葉』…

『生きなさい。
ふり返っていのちを無駄にしたと後悔しないように。
生きなさい。
してきたことを悔やみ、
別の生きかたを望むことのないように。
正直で、
じゅうぶんな人生を生きなさい。生きなさい。』

エリザベス・キューブラー・ロス