日本テレビの「THE 鉄腕DASH」が好きで毎週欠かさず見ている。

残念なことに国分太一君がコンプライアンス違反で世間を騒がし、今朝はTOKIOの解散が報じられた。

ネットではいろんな情報があるが、お決まりの後出しジャンケン情報で、本人の人間性を批判する内容も出ている。

コンプライアンスの名の下、関連企業やスポンサーが過敏に反応し、あっけなくメディアから抹殺されてしまうのだろう。

国分太一君が何をしたのか知らないが、彼のした事を擁護するものではない。


メディアに露出する職業の方々にとっては本当に怖い時代になっている。


コンプライアンスとは一体何なのか?


2007年ごろだと思うが、サラリーマンだった当時、加入していた外部団体主催のコンプライアンスの講演会に参加した。

講師は弁護士の郷原信郎氏で「法令遵守が日本を滅ぼす」と言う本も出されており、後にTVでも良く出ておられた。

郷原氏の説明はわかりやすく、コンプライアンスを法令遵守と日本語訳する事の危うさを力説されていた。

コンプライアンスとは法律を守れば良いのでは無く、社会の要請に応える事だと言う。

法律がなく罰せられないからコンプライアンス違反では無いとはならない。

法律は常に時代遅れだ。

ストーカー規制法も、あおり運転も、社会的に問題が大きくなって初めて法制化される。

他にも法律で規制するのは難しい倫理的な問題についても、社会が許せないような行為はコンプライアンス的に問題となる。

コンプライアンスとは社会の要請に応える事だと言った当時の郷原氏の主張は正しいが、今では行き過ぎた社会の要請に応えてしまっている。

正確には社会の要請ではなく、企業やスポンサーのリスク回避による要請に振り回されているようにしか思えない。

結果として、年々コンプライアンスのレベルが非常に厳しくなっている。


今ではお笑い芸人もコンプライアンスを意識するのは当たり前で、何を言ったらダメなのか知らないとTV局にも使ってもらえない。

そのうち漫才で、ボケた相方の頭も叩けなくなる日も遠くないだろう。


不倫がバレて降板させられる役者、失言でTVから姿を消したタレント、役者の不祥事でお蔵入りとなった映画、今となっては不適切な差別的表現と言う理由で再放送されない昔の名作ドラマ、数えればキリがない。


昔のTVの面白さを知っているだけに残念だ。


 

NHKの「べらぼう」好きの影響か、田沼意次絡みのこの有名な狂歌が頭に浮かぶ。


白河の 清きに魚も住みかねて 
もとの濁りの 田沼恋しき



これを現代風にするとこうなるだろう。


コンプラの 清きに芸人住みかねて
もとの濁りの 昭和恋しき



まさしく「不適切にもほどがある!」