ファンコンもとてもたくさんの機種が発売されています。
4ch同時コントロール可能なものから8ch同時まで様々。
温度センサーがついていたり、温度の変化によって自動でファンの回転数が変化したり・・・。
なかにはPCの消費電力を測定してくれるワットチェッカー機能がついているものもあります。

で、ファンコン選びの私なりの基準というものがあって、いくつかのポイントにまとめられます。

1ch数
chというものがあって、4chなら、4つのファン接続用のピンがあります。
4chだからといって、4つのファンしかつなげられないのか、というとそうでもなくて、分岐ケーブルですれば、5つ6つと接続できます。
そのあたりは、ファンコントローラーの取り付け方法をご覧ください。
調整したいファンの数にもよりますが、基本的にch数が多いほうが便利でしょう。

2chあたりの最大電流量
1chあたりに流すことができる電力です。
0.3Aのものから1Aの大容量タイプのものまであります。
ファンには使用する電力というのがあって、必ず表記されています。
ファンのシールに0.27Aとか、0.13Aとか0.07Aとか、そんな感じで書かれているのがそうです。
1chあたり0.5Aと決められているファンコンであれば、0.5A以内のファンであれば接続できます。
それ以上の容量のファンをつなぐと、壊れたり発火する危険があります。
A数の容量が多いファンコンほど、多様なファンを接続できるので、この数値が大きいファンコンのほうが利用価値は高くなります。

たまにW(ワット)で表記されてる場合もありますが、W(消費電力)=V(ボルト・電圧)xA(アンペア・電流)です。
ファンは基本的に12Vですから、W(ワット)を12で割ると、A(電流)量が分かります。

3発熱
ファンコンも発熱します。
使っているファンのA数が高く、回転数を絞っている場合、発熱しやすくなります。
基本的に、ファンコンについている3端子レギュレーターといわれる部分が発熱します。
これはファンコンの構造上、必ずそうなるので不具合でも何でもありません。
発熱するのが当たり前なんです。
ですが、レギュレーターに放熱用のヒートシンクがある機種もあれば、ない機種もあります。
発熱しやすい機種もあれば、そうでない機種もあります。
経験上、熱すぎる機種は長持ちしません。


4価格
回転数を表示するLCD表示パネルがついてたり、温度センサーがついていたりする機種もあります。
これらが無い機種は比較的に安い傾向があります。


これは選びにくい、ということで、おすすめ12機種に絞ってざっと特徴を並べて購入の参考にしてみたいと思います。

 
 
 

NesteQ NFS-2208D
[1]ch数:2x4ch
[2]chあたりの最大電流量:0.4A
[3]発熱:する
[4]価格:3000円前後

メーカーはNesTeQ、販売は様々なPC関連の細かいパーツを販売しているAinexが行っています。
4箇所の温度を測定でき、8個のファン制御に対応した5インチベイ搭載型ファンコントローラ。
ファンの接続が8個あるのは魅力ですね。
ただ気になる点が一点、メーカーでは2x4chとしていますので、ひょっとして1chを内部で2つに分岐してるだけなのでは、とも思うのですが、そのあたりのレビューは見当たりませんので不明でした。

後日検索したところ、やはり4chを分岐して8chにしてるとのこと。
要するに、ファン1とファン2が1ch、ファン3とファン4が2ch、ファン5とファン6が3ch、ファン7とファン8が4chで、2x4chというわけです。
ファン1とファン2のchはそれぞれ元が同じchなので、ファン1の回転数を変化させると、それとリンクして同じように2のファンも回転数が変化します。

1chあたりの最大出力は0.4Aです。

ちなみに、細かい回転数の調整はできません、4段階で調整します。
大雑把な調整でかまわない人向けです。

8個のファン回転数と4個の温度表示を同時に表示可能。

また、他の特徴として、オートモードがあり、ファンの自動回転調整があります。
センサーが測っている温度によってファンの回転数が4段階で変化します。
温度がもっとも低い場合は、ファンが停止します。
この温度の設定はユーザーではできなくて、あらかじめ温度の範囲は設定されています。
オートモードといっても自分で設定した値でファンのコントロールができるわけではないので、このあたりは、説明書をよく読んでもらったほうがいいでしょう。

ファンの接続は8個とも3ピン/PWM(4ピン)両対応です。
これはありがたいですね。

このファンコンの最大の魅力は3000円前後という値段の安さと、8個の接続ピンがあるということだと思います。
chあたりのA数が低いので、使用するファンのA数は確認しましょう。
ch数は2x4chですし、回転数の調整は4段階ですので、大雑把な調整でかまわない人向けです。
メーカーHP
http://www.ainex.jp/products/nfs-2208d.htm
 
 
 

NZXT SENTRY LX
[1]ch数:5ch
[2]chあたりの最大電流量:0.5A
[3]発熱:する
[4]価格:8000円前後

情報が非常に少ないファンコン。
一応、メーカーHPのリンク
5つの温度センサーが付属し、5chの操作が可能とのことで、なかなかよさそうです。
5インチベイ2段のサイズなので、LCD表示が大きくて、5個のファンの回転数と、5個の温度センサーの温度表示が、一目で分かりますね。
ファンの接続用のピンは3ピンのみです。
1chあたり、6W(0.5A)まで接続可能です。
回転数の調整は100rpm単位

5個のファン回転数と5個の温度表示を同時に表示可能。

オートモードというのがあって、温度センサーの温度で、自動でファンの回転数を調整してくれるようです。
あらかじめ決められた温度になると、決められた回転数に落ちるという感じのようですね。
ユーザーが自由に設定できるわけではないようです。

これに関してはyoutubeに大量に動画があがっているので、情報を得たい場合はそちらを見たほうがいいかもしれません。

このファンは表示が派手というのが魅力なのでしょう。
オートモードは人によって意見がバラけるでしょうね。
ただ、8000円前後という値段に納得がいけば、使える機種だとは思います。
 
 
 

ZALMAN ZM-MFC3
[1]ch数:4ch
[2]chあたりの最大電流量:0.7A
[3]発熱:しない
[4]価格:7000円前後

4chの操作が可能、4つの温度センサーが付属。
ファン接続用のピンは3つが3ピン用で、1つが4ピン(PWM)と3ピン共用です。
オートモードはついていません。

4個のファン回転数と4個の温度表示を同時に表示可能。

ジョグダイヤルで細かい回転数の調整が可能。

これは私も持っていますが、不思議とほとんど発熱しません。

最大の特徴は、PCの消費電力をリアルタイムで表示してくれるというところ。
消費電力を測る測定器といえば、ワットチェッカーというものがありますが、それと誤差はありますがほぼ同じ数値を示すので、かなり正確のようです。
自分のPCの消費電力がリアルタイムで変化していくのが見られるというのは、かなり面白いものがあります。
また、違うPCの消費電力も測れてしまうというのも面白いですね。
この機種についてはこちらのレビュー動画に詳しく説明してあります。

値段を除けば、かなり優秀なファンコンです。
なにより発熱が少ないのが特徴です。
 
 
 

サイズ KAZE MASTER KM01-BK
[1]ch数:4ch
[2]chあたりの最大電流量:1.0A
[3]発熱:ファンによってはかなり熱い
[4]価格:3500円前後

これはかなり売れた機種ですね。いまだに売れていますが。
4つのファン接続ピンと、4つの温度センサーがついています。
4個のファン回転数と4個の温度表示を同時に表示可能。
1chあたりの最大電流は、なんと1.0Aという大電流量。
LCDパネルが見やすいのも特徴かと。
ファンの接続用のピンは3ピンのみです。

ダイヤル式による細かいファンの回転数の調整が可能で、無回転にもできます。

スペック的に見ても、実際に使っても、かなり使いやすいです。

この機種の最大の特徴は、おそらく、1chあたりの最大電流が1.0Aという大電流量にあるかと。
良くも悪くも、これが長所であり、欠点でもあります。

1.0Aまで使用できるので、分岐ケーブルによって1chあたりに複数のファンをつないだりすることができます。
とっても単純な話をすると、とあるファンの使用電流が0.25Aだったとすると、ひとつのchに4つ繋げられるんですよね。
つまり4chあわせると、16個のファンが接続できたりするわけです。
ただ、単純計算でW数が決まるわけではないんで、0.5A程度で収めたほうが無難ですけどね。

で、当たり前ですが、使用電流量が増えれば、発熱する量も増えるので、このファンコン、使い方によってはレギュレーターが温度が100度を超えます。
これが、あっちこっちで熱い熱いといわれている原因です。
発熱が大きいと、周辺部品の寿命に与える影響もあるようで、すぐ壊れた、という話も良く聞きます。
長所がそのまま短所にもなってるわけですね。

解決策はあります。
レギュレーターに放熱用のヒートシンクを取り付けることです。

私も持っていますが、ファンコンとして使い勝手はとても良いので、ヒートシンク取り付けなどの自作ができるのであれば、非常にお買い得な機種でしょう。

メーカーHP
 
 
 

サイズ 風サーバー KS01-BK
[1]ch数:4ch
[2]chあたりの最大電流量:1.0A
[3]発熱:する
[4]価格:5500円前後

KAZE MASTERの後継機。
4つのファン接続ピンと、4つの温度センサー。
4個のファン回転数と4個の温度表示を同時に表示可能。
1chあたりの最大電流は、1.0A。
見やすいLCDパネルも健在。
ファンの接続用のピンは3ピンのみ。

KAZE MASTERで大不評だったレギュレーターの発熱に対処すべく、アルミヒートシンクの放熱器を取り付けています。
これにより、発熱はかなり改善されたようです。

さらに、オートモードを搭載。
フルオート、セミオートの2種類のオートモードがあり、温度設定や、回転数設定を、ユーザーがある程度自由に調整できるのが特徴です。
完全にファンを停止させることもできるとのことです。
いくつかのファンコンがオートモードを搭載していますが、一番自由度が高いのではないでしょうか。

このファンの魅力は比較的に自由度の高いオートモードです。
先代のKAZE MASTERで嫌な思い出がある人にはお勧めできませんが、かなり使い勝手の高い機種であることには間違いありません。
メーカーHP
 
 
 

Bitfenix RECON BFA-RCN-KS-RP
[1]ch数:5ch
[2]chあたりの最大電流量:10W (0.83A)
[3]発熱:する
[4]価格:3500円前後

新時代のファンコントローラー。

5chのファン接続と、5chの温度センサー。
1chあたり10W(0.83A程度)。
3ピンのファンだけでなく、4ピンのファンも接続可。
回転数の調整は100rpm単位。
指定した温度に達するとアラームを鳴らせます。
オートモード搭載。

画面はタッチパネルになっていて、スマホのように画面を直接タッチして操作します。
ファンの回転数の表示は、選択したchのファンの回転数や温度しか表示されません。
ただし、後述するブラウザでの操作時には、全てのチャンネル、全てのセンサーの情報が、ブウラウザ画面でまとめて表示されます。

このファンコンの3端子レギュレーターには、かなり大きめのヒートシンクが取り付けられておりますので、発熱に関しては心配する必要は無いと思われます。

オートモードとマニュアルモードがあり、センサーが感知した温度が設定した値以下になると自動的にファンの回転数をり下げたりする機能が付属しています。
温度、回転数、もろもろはユーザーが設定することが可能で、幅広い設定ができるようです。
Youtubeでは、指定した温度以下になると指定した回転数に下げるという設定を、タッチパネルから操作している様子がアップされていました。

このファンコンの最大の特徴は、ネットワーク接続で遠隔操作できると言う点です。
メーカーサイトからドライバーをインストールすることで、ファンコンがWEBサーバー機能をもち、ブラウザでアクセスすることで操作画面を表示させることが出来ます。
このブラウザの操作画面からファンの回転数などを調整することが出来ます。
また、スマホやPCのブラウザからも様々に設定できるようです。
非常に便利ですね。

ただし、ネットワークでの設定には、ドライバをインストールする必要があるのですが、このドライバはWindows 64bit OS用のものしか用意されていません。
32bit OSを使っている人はネットワーク機能を利用できません。

見栄えのするタッチパネル、ネットワーク対応、オートモードの自由な設定、5chファンコンでありながらも3000円台で購入できる点など含め、非常に魅力的なファンコンであるのは間違いありません。
現状ではこのファンコンの一人勝ちなのではないでしょうか。


 
 

サイズ 風マスターPROブラック (KM03-BK)
[1]ch数:6ch
[2]chあたりの最大電流量:1.0A
[3]発熱:する
[4]価格:4000円前後

KAZE MASTERの派生機。
6つのファン接続ピンと、6つの温度センサー。
2個のファン回転数と2個の温度表示を同時に表示可能。
1chあたりの最大電流は、1.0A。
3ピンコネクタおよびPWM4ピンコネクタ仕様のファンの接続が可能。

風サーバーと同様に、KAZE MASTERで大不評だったレギュレーターの発熱に対処すべく、アルミヒートシンクの放熱器を取り付けています。
これにより、発熱はかなり改善されたようです。

前のバージョンにくらべると、4chから6chに増設され、4ピンファンにも対応しているのがポイントです。
同時にLCDは狭くなり、見にくくなっていますが、回転数の調整時のみ表示が出ればいいという、なんとも割り切った感じは、逆に好印象かもしれません。
そもそも普段は回転数なんて見ないんですから。

この機種の最大の魅力は6chで、しかも、chあたり1Aという点でしょう。
値段もそこそこ手の届きやすい範囲で落ち着いています。
メーカーHP
 
 
 

サイズ 風Qブラック3.5 KQ01-BK-3.5
[1]ch数:4ch
[2]chあたりの最大電流量:1.0A
[3]発熱:ファンによってはかなり熱い
[4]価格:2000円前後

KAZE MASTERのLCDパネルを排除し、3.5インチベイに収まるように小型化したバージョン。
特徴はまったく同じです。

この機種の魅力は3.5インチベイに収まる大きさで4ch制御できて、しかも1chあたり1Aという点です。
ただ、LCDが無いため、回転数はわかりません。
 
 
 

KAZE MASTERアルミ 5.25インチ ブラック KM02-BK
[1]ch数:4ch
[2]chあたりの最大電流量:1.0A
[3]発熱:する
[4]価格:4400円前後

KAZE MASTERの2代目。
KAZE MASTERで大不評だったレギュレーターの発熱に対処すべく、アルミヒートシンクの放熱器を取り付けたバージョン。
これにより、発熱はかなり改善されたようです。

それ以外の特徴は同じです。
 
 
 

サイズ K1-2
[1]ch数:4ch
[2]chあたりの最大電流量:2.0A
[3]発熱:しない
[4]価格:3500円前後

4chの操作が可能、4つの温度センサーが付属。
ファン接続用のピンは3つが3ピン用で、1つが4ピン(PWM)と3ピン共用です。
1チャンネルあたり最大電流は、なんと、2A。
オートモード搭載。

4個のファン回転数と4個の温度表示を同時に表示可能。

ジョグダイヤルで細かい回転数の調整が可能。

オートモードがあり、ファンの自動回転調整があります。
ちなみに、オートモードの基本的な条件はあらかじめ設定済みで、ユーザーは設定できません。
条件等はメーカーサイトにおいてある説明書を見たほうが早いです。

サイズが販売しているが、中身はZALMAN ZM-MFC3の基盤を使ってます。
ZM-MFC3同様に発熱しにくいはずですが、chあたりの最大電流が2Aと、かなりの大電流なので、つないでいるファンの状態によっては、どうなるかはわかりません。

この機種の魅力は3000円と安価でありながら、4chで、chあたり最大2Aという大電流だと思います。
で、ファンコンとしてのツボを押さえているはずなのですが、あまり人気は無いようです。
個人的にLCDのグルグル表示が昭和のアニメみたいに見えるので、ちょっと敬遠されてしまうのも分かる気がします。
メーカーHP
 
 
 

ZALMAN ZM-MFC1 Plus Silver
[1]ch数:6ch
[2]chあたりの最大電流:約0.6A(最大電力:チャンネル当たり7.0W)
[3]発熱:する
[4]価格:5000円前後

6ch制御。
ファン接続は3ピンコネクタ。
LCDなどは搭載されておらず、回転数は表示されないために、微妙な調整は難しいです。
レギュレーター部分には比較的大き目のアルミヒートシンクが取り付けられているので、発熱に関してはそれほど心配要りません。

このファンコンの魅力は6ch制御ということと、アルミがとても美しい外観を見せ、落ち着いた雰囲気をかもし出すということでしょう。

ちなみにブラックバージョンも存在します。

メーカーHP




サイズ 風マスターフラット KM06-BK

[1]ch数:4ch
[2]chあたりの最大電流量:1.0A
[3]発熱:する
[4]価格:3000円前後

KAZE MASTERの派生バージョン。
アルミヒートシンクの放熱器が取り付けられています。
4つの温度センサーなど、基本的には同じとなっていますが、設計が変わって内部空間が広くなっています。
この製品の特徴は、名前にもありますが、なんといっても前面がフラットだというところ。
これにより、フロントカバーが扉のようになっている特殊なケースにも収納できます。

メーカーHP