ぼくは、小学二年生だったとおもう

いきさつは忘れたけれど、みっつ下の弟と二人で祖父母の家に向かった

出発の駅まで母が送ってくれて
電車乗り換え一回、最後はバス
100kmをこえる、夏のちびっこ珍道中

周りの大人に助けられ、なんとか無事たどり着いたものの
とても緊張したことを覚えている

ひとなつこく甘えん坊の弟は
兄の緊張をよそに、
向かいに座ったおばちゃんにアメや冷凍蜜柑をもらってご満悦で

鈍行の車内は扇風機、窓もあけて
改札には、鋏を鳴らした駅員が立ち
祖父母の街の駅は、まだ木造の平屋だった


ときはながれ、令和も数年たち
友人の甥が、小学二年生
はじめてひとり電車にのり、やってきた

まだ港界隈にうろつくチビハゼを釣ろうとoleが声をかけ
釣果をアテに飲むビール目当てに集う大人たちのなかに
果敢に飛び込んできた

が、来るだけで相当緊張したらしい
そうだろうなあ、がんばったなあ

友人は、自分の釣りはそこそこに
執事?爺や? 付き人(笑)






少年は、ひとつおおきくなった、かな