ブリヂストン美術館が、今年1月、アーティゾン美術館として生まれ変わりました。
ジャム・セッション 石橋財団コレクション×鴻池朋子
いやはや本当に生まれ変わっていました。
旧ブリヂストン美術館時代は、インバウンドのお客様をお連れするとは想定していませんでしたが、今後は、展覧会によっては利用価値大ではないかと思いました。
同じ場所にあった1952年竣工のブリヂストン本社ビルは、その時代を反映して、天井の低い間口の狭い建物でした。
思い出があります。
高校生の時のピアノの発表会。
ビル内には、美術館だけでなく、ホールもありました。
そのピアノが良いからと、先生がお教室の発表会に使ったのです。
生徒は小さい子達ばかりだったのに。
あの子達にスタンウェイとか要らなかったでしょうに。
私がいつも最年長で、だから当然私がトリ。
メンデルスゾーンを弾いた記憶があります。
もう一つ。
通勤路でした。
短大卒業後勤めた会社は、ブリジストンビルから2軒目。朝に夜に、このビルを通り過ぎないことには、出社も帰宅もできませんでした。
そのビルが壊されて、中央通りと八重洲通りの角という一等地が空き地になり…
そして美しい新しいビルになりました。
設計: 日建設計 施工: 戸田建設
受付や案内の人達のユニフォームも、モード系でオシャレです。
美術館は4階から6階までの3フロアに分かれています。
エレベーターで6階まで上がり、エスカレーターで5階、4階と降りて行きます。
現在の展覧会です。
6階は、
ジャム・セッション 石橋財団コレクション×鴻池朋子
鴻池朋子 ちゅうがえり
そもそも印象派のコレクションの多い石橋財団ですが、コレクションの中から選ばれた3作品(カミーユ コロー、クールベ、シスレー)と、現代アーティスト、鴻池朋子さんのコラボです。
日曜美術館で、制作に取り組んでいる鴻池朋子さんを見て、絶対に観に行きたいと思っていましたが、期待していた以上のインパクトに小躍りしました。
どこを切っても素晴らしい。
様々な素材や質感を使い、墨の黒と紙の白の対比から、鮮やかな原色まで、色の持つ力を引き出し、光と影を巧みに操り、高低差や重力までを彼女の味方に引き込み。
ここにだったら一日中居られると思ったほどです。
第 58 回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示帰国展 「Cosmo-Eggs | 宇宙の卵」
このフロアでは、アプリから音声ガイドを聞くことができます。
With コロナの時代です。
500円払い音声ガイド借りるのは、借りる側も気になるし、貸す側も消毒の手間が今まで以上にかかります。
美術館のWiFiに繋ぎ、アプリをダウンロードし、自分のスマホと自分のイヤフォンで聴くのが良いのでしょう。
展示室のみならず、各階ロビーにも彫刻があります。
懐かしい方と再会しました。
右のO脚が私。
はい。聖子ちゃんカットです。
左は友人ミンコ。
例のピアノの発表会の日です。
長らく門番の如く、エントランスに設置されていた天使像。
向かい合うようにして、創設者石橋正二郎さんの胸像も置かれていました。
旧ブリジストン美術館を思い起こさせる空間です。
辺り一帯すっかり再開発され、実は、働いていたビルはもはやありません。
会社を辞めることを話した日、部長にご馳走になった八重洲地下街のステーキ屋さんは、今はタリーズです。