社会人チームに入って、バスケへのモチベーションが高まった。

体力もフィジカルも、全く足りないけど、圧倒的な武器を持ってコートに立つこと。

誰にも負けないスピードで、相手をぶち抜いてゴールをねじ込むあの感覚は何とも言えない気持ちよさだった。


ハンドリングもスピードも、ジャンプ力もまだ通用するどころか、上澄みレベル。

そう思うと、この力をまだ高めていきたい気持ちもあり、どこまで戦えるか試してみたくもあり。


7月、北海道から帰って来て早々、身体が全く動かずに教え子に打ち破られ。

そこでバスケを区切ることはできた。

過去の自分としての実力が、社会人となり失われていく物悲しさと、時間の経過。

そこで一区切り、もう別の世界で生きているんだと。


だが、俺にはそれができなかった。

北海道で生きた自分の身の丈と、千葉で生きる自分の身の丈は違う。

失ったものを取り返したかったし、もう一度バスケでアツくなる感覚を知りたかった。


それは先で指導者をするためだとか、誰かの希望になるためだとか、そういう偉大な目標ではなく、ただ好きだったから。


通用するところまで戦い続け、このスピードをまだまだ活かしたかった。


それが俺の身の丈だった。

コーチだった俺が、ずっと強くあるためのものであり、それこそが自分の人生そのものであると。