つい先日のこと、職場のひとつの小学校から連絡があった。
とある書類を知らないかとのこと。
「その書類のことは知ってはいるけど、見たのは去年の話だし、去年の図書担当の先生なら知っていると思います」
と返信した。
去年の担当の先生は今年の春に異動して、違う学校にお勤めです。
しばらくするとまた連絡があり、
「(去年の担当の先生に)連絡したんですが、図書室にあるんじゃないかっていうので、図書室中大捜索したんですけど見つからなかったんですよ。
そうしたら、コオリ先生が知ってるはずだっておっしゃるので、また連絡しました。」
とのことで。
なんとなく、いや、かなり私はムカついた。
大体その書類は私には全く関係のない書類で、むしろ図書担当の先生が持っておかなければならない書類なんです。
一度だけ、その書類を見せてもらったことはあるものの、何で図書室に置いておかなければならないのか。
てかさ、何で人のこと疑うのさ。
元々その先生は、誰に対しても疑ってかかる先生だった。
生徒はもちろん、他の先生も、もちろん私のことも。
その度に私は、カチンと来ていたんだけども、まあ私も新人だったからやむなしと思って我慢してたんだけど。
自分のなくした書類のことまで、私のせいにされるとは思わなかったわ。
だから私は全く知らないことと、図書室にそんな書類を置く必要がないことをきちんと説明した。
前担当の先生は、いい先生だけどちょっと変わった先生でもあった。
まず司書の私のことを、全く信用していなかったと思う。
私が新人というのもあったからだとは理解しているんだけど、前にそこで司書をしていた方からも同じような話を聞いたので、きっと性分なんだろう。
何もかも自分でやらないと気が済まない性質なんだと思う。
私がしている仕事を、私の退社後にチェックしてるなというのは、なんとなく形跡でわかってはいたんだけども。
ある夏、その先生が本の発注を勝手にやっちゃって、その中に小学校図書館にふさわしくない本が混じってたんですよ。
その時に「この本は、コオリ先生が発注したんだっけ?」と、いきなり私に罪をなすりつけようとしてきて、びっくりしたことがありました。
ああ、思い出してもゾッとするわ。
ちょっと過保護な母親みたいな先生だったな、と今になっては思うんだけど。
私のしなきゃいけない仕事まで、してくださるような方だったんだけども。
今思えばきっと、信用されてなかったんだなあ、と思った。
異動してからも、そんな風に疑われるとか。
本当に無理。
で、昨日再び連絡がありまして。
「書類見つかりました、お騒がせいたしました。」
とのことで、どこから見つかったのか聞いてみたら、職員室の図書関連の引き出しの中からなんだって。
なんだよ、それ。
てか、そんな引き出し、私は一切触らないし、存在も知らなかったから、絶対去年の担当の先生が置きっぱなしにしてたんじゃん。
それを簡単に私のせいにするとは。
…許せん!
とはいえ私も、その先生の疑い癖は当初から気になってはいた。
図書室の掃除担当の子達のことを、「どうせ、ちゃんと掃除してないんだろう」と決めつけ、叱りつけたり。
図書の授業中に問題を起こした子がいたら、「どうせあの子だろう」と勝手に決めつけて話を進めてしまったりする。
本棚から教材として使うのであろう本が、貸し出しの手続きなしにごっそりなくなっていた時も「どうせあの先生よ」と言ってたし。
きっと、今までの長い教師生活の中で、人を信じられなくなったんだろう。
生徒は平気で嘘をつくし、先生は見て見ぬふり責任転嫁をする人もいたりする世界で、私もピリピリしながら働いているので、気持ちはわからなくはない。
でも、なんだかなあ。
異動で離れてから数か月。
また、こういう疑いをかけられるとは思わなかった。
正直、その先生のことは疑り深い人だなとは思ってたけど、嫌いじゃなかったのよ。
図書室のことに真剣に向き合ってくれるし、連絡も密にとれた。
他の学校では、「好きなようにしてくれていいよ」と丸投げの先生もいるのに。
過保護な母親性質で、何でも自分がしなければ気が済まない人なんだと思ってたんだけど。
ちょっと今回のことで、「ちょっと無理」ってなった。
書類が無事に見つかってよかったけど、私の中でモヤモヤが残った。
まあ、もう会うことはないだろう人だし、私もすぐに忘れるだろうけど。
それでも、本当に久々にムカッときたわ。