図書室で働いていて思うのは…、私が幼少期に読んでた本って、あんまり図書室にないなってこと。
いや、仕方ないですよね。
私が小学校を卒業してから40年近く経っているわけですから。
でも本棚を見ていて、ふと思い出す話があるんですよ。
「ああ、これ読んだことある!」みたいな。
それと私が小学1年生の時に、初めて読んだ詩があるんですけど、それがどうしても忘れられなくて。
なんなら、暗唱できるくらい覚えてるんですよ。
ちょっと書いちゃいますね。
知ってる人、いるかなあ。
ほっ まぶしいな。
ほっ うれしいな。
みずは つるつる。
かぜは そよそよ。
ケルルン クック。
ああいいにおいだ。
ケルルン クック。
ほっ いぬのふぐりがさいている。
ほっ おおきなくもがうごいてくる。
ケルルン クック。
ケルルン クック。
これは草野心平の『春のうた』という詩です。
私は小学校1年の教科書に載っていたと記憶してたんだけど、どうやら4年生の教科書に載ってるみたいで。
私は光村図書の国語の教科書で育った人間なんですが。
てか、小学生の時の教科書の出版社を覚えてるってことが、もう相当ヤバイですね
国語好きの人はたぶん、理解してもらえると思うんだけど。
教科書をもらったら、その日のうちに全部読み込んでしまう痛い小学生だったので
ところが、そんな痛い人間には懐かしいサイトがあるんですよ。
それがこれ。
これは光村図書のみなんですが、自分の生年月日を入れて、自分が使っていた教科書の内容がわかるというもの。
ちなみに1年生の教科書に載っていて、強烈に覚えているのは、『くじらぐも』/中川李枝子と『チックとタック』/千葉省三。
もう、めちゃくちゃ私の小学生の脳の形成に影響している作品なんですよ、二つとも。
『くじらぐも』は1年生が運動場で体育の授業をしていたら、くじらの形をした雲が現れて、それにみんなで乗って空の旅をして、給食前には校庭に送り届けてくれるという、想像力と夢を掻き立てられるお話なんです。
中川李枝子といえば、『ぐりとぐら』が有名ではありますが、他にもいいお話がいっぱいあります。
そして『チックとタック』は、頭の奥の方でずっと、ぼんやりと残っているお話ではありました。
おじいさんの家の振り子時計からチックとタックという小人が、深夜0時になると時計から出てきて、おじいさんの家のお肉やてんぷら、お寿司をつまみ食いしてしまう話です。
お寿司のわさびがからくて、時計に逃げ帰ってしまうんですが。
このお話、大好きだったなあ。
ていうか、光村図書の教科書じゃなかった人には、わかんないかもしれないですよね。
1人で盛り上がって申し訳ない。
さて、その他に印象が強かったのが、2年生の『スーホの白い馬』『スイミー』『くまの子ウーフ』、3年生で『モチモチの木』。
これは、今でもいろんな教科書に載ったり、紹介されているはずです。
そして、どうやら私の大好きな『春のうた』は、4年生の教科書に載っていました。
1年生じゃかったのか…。
うちの母と「ケルルンクック」と言い合って、笑ってた記憶がずっとあったので、もっと小さい頃なのかと思っていました。
だけど4年生の教科書には影響を受けた話がたくさん掲載されていました。
『白いぼうし』/あまんきみこ、は今も教科書に載っている話で、この間図書室で読み返したら、一気にあの頃の記憶が戻ってきました。
『一つの花』は戦争で、戦地に赴くお父さんと、「一つだけちょうだい」が口癖のゆみ子が出てくる話で。
これ、今読んでも泣いてしまうんですが、4年生だった私も泣いてしまいました。
そして新見南吉の『ごんぎつね』。
この3つの話は、どこかの教科書に載っているはずです。
5年と6年の教科書では、3つくらい記憶に残っている話があった。
まず『どろんこ祭り』/今江祥智。
この話はある意味、思春期というか、男女差というか、そういう感じのお話でした。
あと、5年生の時の『わらぐつの中の神様』。
なんとなく言いたいことはわかったんだけど、わらぐつと言うのが私の中で想像がつかずだった記憶があります。
6年では、宮沢賢治の『やまなし』を習うんですよ。
これも暗唱できるくらい読み込みましたが、当時はわからないことだらけで。
そもそもやまなしって何?
笑う擬音が「かぷかぷ」ってどういうこと?みたいな。
これがまた…、草野心平の『春のうた』と同じで、よくわからないオノマトペが癖になる話でした。
今、私が勤めている小学校の教科書は、残念ながら光村図書ではないのですが、大体掲載されている本は似ていると思います。
『スイミー』とか『やまなし』とか『おおきなかぶ』とか。
今思えば、教科書とか残しておけばよかったなあと思いつつも。
息子の教科書なんて…、小学校から高校まで、進級したらすぐに捨ててしまった私なので
小学校の教科書は4月から変わるみたいなので、またいろいろと大変そうだなあ。