まだ私が学校司書になって間もない頃、5年生の女の子から、
「○〇という本はありますか?」
と、尋ねられた。
それは中学生向けの本だったので、うちの図書室には置いていなかった。
「その本は置いていない」と告げると、次の本を尋ねられた。
それも中学生向けの本で、置いてなかったんだけど、次に提示された本はありました。
これは有名な本なので知ってる方も多いと思いますが、実は私もめちゃくちゃ好きな本で。
この本は実は、小学校の教科書にも紹介されている本なので、図書室にはあります。
イギリス人の祖母の家に、不登校の孫娘と一時的に一緒に暮らすんだけど。
祖母である西の魔女が、孫娘のまいに言う言葉がいちいち好き過ぎて。
その子はメモを見ながら、私に本を尋ねていたわけなんですが。
それは何のメモなのか聞いてみたら、
「塾の先生が、受験対策で今のうちに読んでおいた方がいいって。」
との答えが。
マジか。
中学受験対策か
「残りの本は市の図書館で借りたらいいよ」
と話して、その場は終わったんですが。
その小学校の司書の前任者さんが、
「あの小学校は、中学受験する子が多いから」
と教えてくれたんだけど。
ネットで調べたら、確かに、「中学受験対策・読むべき本」みたいなサイトがいくつかあった。
最近になって、6年生の子達から「〇〇くんは□中学に受かった」みたいな話を聞くようになったので、きっと今年もたくさんの子が中学受験をしたんだろうな。
そして昨日、3年生の子がやっぱりメモを持って私に本の場所を聞きに来た。
そのメモにはきれいな字でいっぱいの本が書かれていて、この本は全部図書室にありそうな感じだった。
その中の一冊の椋鳩十の『マヤの一生』という本を、その子は借りて帰ったんだけど。
まさかの中学受験かと思ったら、その子の口から、
「お母さんとお父さんが小学生の時に読んだ本なんだって。
だから僕も読もうかと思って。」
と聞いて、ちょっとウルッと来た。
いいなあ、そういうの。
私も椋鳩十は全部読んだよ。
ほとんど内容は覚えてないけど
確かにその子が持ってたリストの本は、ちょっと古めの本ばかりだ。
私も息子が小さい頃、私が読んだ本を読んでほしかったもんなあ。
「ぐりとぐら」とか「くまの子ウーフ」とか、「ちいさいモモちゃん」とか。
どれも本当に大好きな本だった。
自分でも買って息子に読み聞かせた記憶があります。
あの頃の息子は本当に可愛くて、毎晩の読み聞かせで、「ないた赤鬼」を読んだ時、ラストで号泣してた。
あれ以来、「ないた赤鬼」は読まれることはありませんでしたよ
いい話なんだけど、救いようがなく悲しいんですよね。
私の大好きだった「ちいさいモモちゃん」
実は我が家にまだあるんですが。
これって、松谷みよ子さんの話だったんだ。
幼少期、松谷みよ子さんの昔話とかの本をたくさん読んだ記憶があるので。
でも表紙が思いっきり昭和だなあ。
そこが可愛いんだけども。