私と母は『バナナボールペン』の
おかげで生き延びた


しかし 一層 母の苦悩は深くなる
今 思えば“適応障害に伴う自律神経失調症”という感じだったのかなぁ...



ある日“カミサマコオリン”みたいな
宗教にハマってしまった
教団名は、わかる人だけわかってちょ

集会に行くとトランス状態になり
すべての苦しみがなくなる教団
↑明らかに胡散臭いわ
私も連れて行かれて辛かったけど
母の晴れ晴れとした様子は嬉しかった


けれどそれは突然終わった
教団幹部からセクハラされ脱会
その時は わからなかったけど 後に私が大きくなって想像するに...



そしてまた苦悩の日々



しばらくして今度は
“オヒカリサン”みたいな宗教にハマった
教団名は...以下同文

そこは『ありがたいお話』を
聞くために莫大な金が必要だった

父は真面目に働く公務員だったけど
家からお金がドンドンなくなった

毎日の食費さえ怪しくなった頃
母が私と弟を連れて
『ありがたいお話』を聞きに行くと
受付で「三人分のお金を」と言われた
お金じゃなくお布施じゃなくなんか難しい言葉だったけど

お金を払おうにも財布はカラに近く
なけなしの500円玉を差し出した母
しかし
「硬貨はお金じゃありません」と言われた

この時のことを
私は 一生忘れないっ

母は「この教団は金を奪う悪教団だ」
と言って脱会した
私は「そんなん小学生のアタシでもわかってたで」と言いたかったけど黙っていた




しかし懲りない人だった
みたび宗教にハマる

次の教団は医師など高収入な信者が多く、富める人がお布施をして貧しき人は何も払わなくていいところだった

母は「これこそ本物よ」と言った
「家からお金が無くならないのは良い事だなぁ」と私も思った

母は熱心で夢中になる人なので
懸命に信心して教団幹部から認められ
洗礼を受ける事になった

家族揃って教団の総本山がある
台湾へ行くことになった


到着して3日目
さあ洗礼!という瞬間に
私は聖堂で ゲロを吐いた

教団の人々は「罪業の娘だ」と叫び
私を追い出そうとした

母は「こんな若い娘がどんな悪いことをしたと言うのか?仮に悪いとしても悪人こそ・・・」と親鸞だか法然だかの『悪人正機説』みたいなことを毅然と言い放ち脱会



あれから30年数年経つ


母は毎月1日には神棚に榊を供えているけど
それは妄信ではない



台湾で洗礼中に私が嘔吐したのは
洗礼の前日も当日朝も
『台湾バナナ』を食べ過ぎたからだ

小さくて甘くて美味しかったよ
台湾バナナは、だから食べ過ぎた

お腹を壊しただけだった・・・


バナナボールペンと
バナナゲロで救われた

母と私にはバナナの神さまが
ついているのかもしれない
(多分違う(´∀`*)(笑)