のんちゃんは、東京の世田谷の夜道を歩いた。
のんちゃんは、アパートへの道を
とぼとぼ歩いた。
誰もいない、アパートへ帰るために、
とぼとぼ歩いていた。
夜って、辛い
悲しい
苦しい
過去のことも思い出してしまう
辛い、辛い、辛い
のんちゃんは、過去の辛かったことを
ふと思い出した。
辛い思い出もたくさんあった。
自分は変わっとんやないか、
何度も悩んだこともあった。
―
のんちゃんは、誰もいないアパートへと
歩きだした。
’誰か待っててくれよ’
そう思ったことも何度もあった。
故郷の家族が恋しい。
会いたい。
のんちゃんは、夜が来る度に、
悲しみを募らせていた。
自分らしくおれない辛さに、
悲しみを抱いていた。
誰か、私の苦しみ分かってくれよ’
そう思ったことも何度もあった。