ベイツ事件とは無関係だが、ベイツの動きではあるもの。
1.
ベイツは、1937年12月16日、17日、18日、21日、22日、25日、27日に、南京大学緊急委員会委員長として、無記名で、日本側に文書を提出している。また30日に、M. S. Bates(マイナー・シール・ベイツ)と記名された、同様に南京大学緊急委員会委員長としての文書を出している。これらは、南京大学施設内における不法行為ほかについて記したものになる。
このうち、12月16日から27日までの文書は、publicityのために書かれたものだと思う。またそれは、ある意味、12月15日昼までに書かれた、同日昼および翌日昼に南京を出た残留欧米人記者たちに渡された報告と同じものだと思う。
また、それは、ひとまとまりのものとして1938年1月11日付で、おそらく上海にいた、中国のプロテスタント各派の集まりである全国基督教連盟(1922-)のおそらく役員であった宣教師に届けられているし、他の残留欧米人・米国人宣教師(牧師)の、おそらくはベイツの指示や依頼によって書かれた妻への手紙と一緒に、香港の記者のもとにも渡っている。それに基づく記事が、1月下旬に英国の新聞に掲載されている。
また、極東軍事裁判に提出された文書においても、また発言においても、同じ期間、同じ文書について、記され、述べられている。引用、読み上げ、という形になっている。
2.
12月16日から27日までの文書の書き方(manner)と調子(tone)は、それがpublicity、発信することを前提に書かれているためにあると思うが、そうではない別の事情によってあるとするために、以下のようなことが、極東軍事裁判に提出されたその文書に書かれていると思う。
1946年6月25日東京 ベイツの極東軍事裁判のために提出した文書
(6) In embarrassment and exaspertion at their inability to do anything about the situation which brought forth daily protests and complaints, the officers of the Japanese Embassy frequently sought to defer the issue by asking me to up-to-date and specific information, claiming that the improvement was actually in process. This explain the manner and tone of certain letters presented by me to them.
(6)日々の抗議や訴えをもたらす状況になにもすることができないことへの当惑と苛立ちのなかで、改善は実際に進行していると訴えながら、私に最新かつ具体的な情報を求めることで、日本大使館の役人は事柄(issue)を保留することを頻繁に求めました。これは、私から彼らに提出されたあるいつくかの手紙の方法(manner)と調子(tone)を説明します。
3.
加えられていない、そして記名がなされた、1937年12月30日の文書には、次のように書かれている。
1937年12月30日
南京大学緊急委員会委員長M. S. Batesから日本側に出された文書
In the past two days the number of soldiers near by has greatly decreased and the situation is markedly improved, for which we are very thankful.
Yet [...]
過去二日〔28日、29日〕のうちに近くの兵士の数は大きく(greatly)減り、状況は格段に良くなりました(markedly improved)、これについて我々はとても有り難く感じます。
しかしながら〔…〕
この記述の意図はわからないが、ひとつには、一連のものをひとまず終える、というものがあったのではないかと思う。作為、他意なく書かれたのなら、27日の文書の記述内容(良くなると約束されてきたがdisorderが続いている)がありえることは、ベイツが他意なく気ままに盛ったりすることはないだろうし、その時点では状況、程度に変化があると思うので、ないと思う。27日まで続けたものを、ひとまずここで終えたのだと思う。
また、1946年7月29日における発言では、ちょうど12月27日の文書について読み上げたあとに、ベイツと裁判長ウェッブの以下のようなやり取りがあった。
THE PRESIDENT: He is not refreshing his memory from his notes. He is just reading them.
裁判長(ウェッブ):彼はノートから記憶を呼び覚まそうとしていない。彼はただそれらを読んでいる。
THE WITNESS: These are sufficient to show the nature of the reports and the way in which they were clearly or even strongly stated.
証言者(ベイツ):これらは報告の様子(nature)と、それらが明確に、または強力にさえ記されている仕方を示すのに十分なものです。
THE PRESIDENT: This sort of thing is only provoking the defence which I am saving time by anticipating it.
裁判長(ウェッブ):このような事は、弁護側をただ怒らせるものであり、それを予期することで時間を節約しているものです。
この発言について何かを言うわけではないが、the nature of the reportsについて見せることをするなら、30日の文書にしても他意なく書かれたものではないと思うが、それも含めると思う。
4.
16日から27日までの文書は、publicityのために書かれたもので、極東軍事裁判で南京が扱われることを受け、またそれに関与することになり、ベイツにより再びそこにおいても使われた、同じようなことがなされたのだと思う。
わざわざ30日のものを加えるということはなく、また、極東軍事裁判では、あるいは1938年2月、3月の時点で、6、7週間ということに既にベイツにより決められていたので、そのためには、むしろ加えることはあり得なかったと思う。
…
各文書などについては別に見る。