石川さゆりさんの哀切な歌で19歳の恋を歌ったことでしか知らない「能登半島」。この度の思いがけない地震被害に対しては本当にお見舞い申し上げます。とくに、久し振りに帰省した子供などと一家そろって団欒のときに被害に会われた方々が居られることには強く哀悼の意を表します。なにもできませんが心からのご冥福をお祈りします。
地震が発生したときに、私は台湾の新竹にいた。テレビのローカルニュースで知って、NHKの国際放送に切り替えたが、震度7に達する地震が能登半島を襲ったこと、津波が襲来する恐れがあるから直ちに避難することというニュースを繰り返すばかりで詳しい情報はまったく分からなかった。
1月7日には帰国したので、もっと詳しいことが分かっているのかなとNHKはじめ各局のチャンネルに合わせてみたが、まだ被害の全貌は分からないということだけで死者の数が3桁に増えたことを知っただけである。NHKの地元女子アナがとにかく逃げろと絶叫したことが話題にはなっていたが、家屋も倒壊し、電気も切断されたなかで被災者の誰がこの放送を見ることができたのか。
地震発生後、政府で対策本部が立てられ、総理がヘッドとして指揮することになったことは知っていたが、まずは救命という原則に立てばすべて72時間以内にその措置をはからなければならないというのは災害時の鉄則である。そのためには、災害の現状をすぐに把握する必要がある。ここは日本である。ヘリだってドローンだってすぐに飛ばせる。災害マップを作り上げ救命、救援の要請度に応じて自衛隊や東京都のハイパーレスキュー部隊を直ちに現地に送り込むことが必要ではなかったのか。復興予算の策など被害の全貌が分ってからでもいい。
報道関係機関もだらしがない。東北大震災のときには福島から岩手まで広がるあれだ長い海岸線に沿って津波の押し寄せる状況をヘリの実況で放送していたのではないのか。同じようなことがなぜできなかったのか。
石川県をはじめ近隣の県から選出された国会議員はなにをしていたのか。災害の現状を見て官邸に対してなぜ緊急の要望を出せなかったのか。山本令和新選組の代表山本氏は現地入りしたことは称賛すべきであって決して非難の対象にはならない。
国民の生命と財産を守ることは政府の責任である。この対応が遅れたことはなにを言っても弁解のしようがない。総理のリーダーシップが欠如していることも明らかであり、いまの日本では起こりえないことが起きていることをただただ嘆くだけである。