おとなADHD

おとなADHD

発達障害に関して、実際に体験したことや、感じたことを記していきます。

記事の内容は基本んん調べです。

不定期更新。

発達障害のある親だと、「自分の子どももそうなんじゃないか」と不安がよぎることがあると思う。

それだとか、通っている園から言われたとかもあるかも。


ただ、専門家でも0〜2歳の段階で判断するのはかなり難しいらしい。乳幼児期は発達の幅が広く、月齢差や生活環境の影響も大きい。

少し前に読んだ研究(東京都医学総合研究所、2020年)では、5歳で発達障害と診断された子の約半数が、3歳健診では問題なしと評価されていたという結果が出ている。
つまり、早期に「正確に判定する」のは想像以上に難しいということになる。

当事者として育ってきて感じていること

自分の幼少期を振り返ると、今でいうADHDらしさはたくさんあった。
突発的に動き出すことが多く、思いのすれ違いでよく友達と衝突した。
小学生になると、授業中に寝てしまったり、忘れ物が続いたり。
当時は「不注意」「だらしない」で片づけられていたけれど、今思えば発達特性の影響が強かったんだと思う(憶測です)。

ただ、こうした行動の裏には「興味があるから突っ走る」とか、「刺激に対して反応しやすい」とか、子どもの側の理由がちゃんとある。
少なくとも、自分は“できない子”というより“うまく伝わらなかった子”だった。

保育士として見てきた子どもたちの姿

保育の現場にいると、発達のペースが本当にバラバラなことを実感する。
話し始める時期も、集団に馴染むスピードも、興味の向き方も本当に幅がある。

だから、同じ年齢でも「できる・できない」に差が出るのは普通のことで、そこだけを切り取って“障害かどうか”を判断するのは無理がある。
むしろ、子どもが困っている姿って、やりたい気持ちがあるからこそ出てくるものだったりする。

「できない=障害だから」と考えてしまうと、子どもの伸びようとする力を見逃してしまうかもしれない。
保育士としては、そこでラベルを貼るよりも、
“今が伸びるタイミングかもしれない”と受け止めて関わるほうが、子どもにとっては良い方向に働きやすいと感じている。

親として不安になる気持ちは自然だけど

0〜2歳の子育ては、毎日が初めてだらけで、ちょっとした行動でも気になってしまうことがある。
自分の特性があると、それが余計に敏感になることもあると思う。

ただ、当事者として育ってきた経験と、保育士として多くの子どもを見てきた経験を合わせると、

「発達の差が大きい時期だからこそ、今の姿をそのまま見てあげれば十分」

という結論にどうしても戻ってくる。

焦って結論をつけなくても、子どもはその子のペースで伸びていく。

いま大事なのは診断よりも“関わりの質”

診断の有無が役立つことはもちろんあるけれど、0〜2歳の段階では「正確さ」よりも「関わり」のほうが子どもに影響しやすい。

・困っていそうなら、環境をちょっと変えてみる
・興味があるなら、一緒に広げてみる
・気になる行動があれば、生活リズムや刺激の量を見直してみる

診断がつくのはもっと先の話でいい。
今は、子どもが「この大人は安心できる」と感じられる環境のほうがずっと大事。


ちょっと真面目になってみました。

そんじゃね昇天

タスクの優先順位がぐちゃぐちゃになる理由。ADHDの“目の前バイアス”ってやつ


最近よく見る「タスク管理術」とか「優先順位のつけ方」ってあるじゃないですか。

正直言うと、ああいうのを見るたびに「いや、それができたら苦労しないんだよな…」と思ってしまう。


僕の場合、急ぎの仕事があったとしても、誰かに“今ちょっといい?”って声をかけられると、そっちの依頼にスッと流れてしまうことが多い。

頼まれた瞬間の“目の前の刺激”のほうが強くて、もともと抱えていた重要なタスクが後ろに追いやられてしまう感じ。


結果、「あれ?今日締切のやつどこ行った?」みたいな状況が定期的に起きる。

いや、わかってる。わかってるんですよ?

でも脳みそが勝手にそう動く。




●なぜこうなるのか


ADHDの研究でよく出てくるのが、

「実行機能(executive function)」と「ワーキングメモリ」の弱さ

難しく聞こえるけど、ざっくりいうと、



  • “計画を立てて”

  • “優先順位を整理して”

  • “その通りに進める”


この一連の処理が苦手、ということらしい。(実行機能の研究より)


特に、新しく入ってきた情報に注意がもっていかれやすいという特徴があるので、

急ぎのタスクより“今声をかけられたタスク”を優先してしまいやすい。


あと、ワーキングメモリの容量が小さいので、

新しい依頼が1つ増えただけで、もともとの急ぎ仕事がスッと脳の端に追いやられる。

このあたりは成人ADHDの研究でよく言われてます。(軽めの出典:PMCID: PMC6996017)




●「本当に急ぎの仕事」が後回しになる理由


僕の感覚だと、急ぎの仕事があるとわかっていても

“今、目の前で渡されたタスク”が一番リアルに感じる


本来優先すべきものより、

「強く感じるもの」から処理しちゃうんですよね。


これを専門では“目の前バイアス(present bias)”とか、“刺激駆動型注意”なんて呼ばれるらしい。

呼び方だけ立派だけど、実態はただの「気が散りやすい」なんだけどね。




●そして、よくあるオチ


「急ぎ仕事、間に合わなかったやつ」

「他の仕事を請けたことで、急ぎの存在を忘れてしまうやつ」


これ、完全に僕の実体験なんだけど、同じタイプの人わりと多いと思う。


優先順位付けって、“苦手だからできない”だけであって、

根性とか気合いの問題じゃない。

仕組みそのものが向いてない。




●ちょっとした対策(できる範囲)


僕がやっているのはこれくらい。



  • 急ぎの仕事はメモを“視界に入り続ける場所”に置く

  • 依頼された瞬間に「今〇〇の仕事中なんですが、あとでいいですか?」と言う

    → これ、言えれば勝ち。たまに忘れるけど。

  • タスクが2個以上重なったら、いったん全部書き出す

    → 書き出すだけで優先順位が見えやすくなる。


対策が必要というより、

「できない理由」を理解しておくほうが精神的にラクだったりする。




●最後に


同じように、

**“タスクの優先順位がいつも迷子になる人”**がこの記事にたどり着いたなら、

世界のどこかにあなたと同じ回路を持った仲間(僕)がいます。

安心してどうぞ。


それじゃね昇天


「それじゃなくて、こっち使って」

この言葉、なんか苦手。
頭ではわかってるつもりでも、なぜか一瞬止まる。
“どっち?”ってなる。

ADHDの人がよく言われる「指示が入りにくい」「話が途中で飛ぶ」は、
単なる注意不足じゃなく、脳の情報処理のクセが関係してることがあるらしい。


否定文って、意外とややこしい

例えば「それは使わないで」って言われたとき、
脳の中では「それを使う」というイメージがまず浮かんで、
そのあとで「使わない」と打ち消す作業が起こる。

この「浮かべて→消す」っていう二段階処理、
ADHDの脳には結構負担が大きいらしい。
実際、2021年の研究(Engelhardtら/Journal of Psycholinguistic Research)でも、
ADHDの人は否定文の理解に時間がかかる傾向があると報告されている。


思い込みが起こるのは“処理の途中”で止まるから

だから、指示の途中で頭が「もう理解した」と判断してしまう。
たとえば、「AじゃなくてBね」と言われたとき、
Aを想起している途中で“B”を聞き逃す。
結果、Aのまま動いちゃう。

これ、サボってるわけでも、言葉を聞いてないわけでもなくて、
情報の切り替えに時間がかかるだけ。
ADHDの脳は「即反応」と「処理の遅れ」が共存してるから、
そのズレでミスが起きやすい。


対策:否定文を減らす or 聞き返す勇気

対策としては、
・自分でメモに「やること」だけ書く(“やらないこと”は書かない)
・否定文が出てきたら、「つまり〇〇ってことですよね?」と確認する
この二つがかなり効く。

“聞き返す=迷惑”と思いがちだけど、
実際はその一言でトラブルを防げることが多い。
「また間違えた」って自己嫌悪になるより、
一度立ち止まるほうがずっとまし。


たぶん、同じように思い込みでミスをしてる人、けっこういると思う。
そのたびに「ちゃんと聞けよ」って言われて落ち込むけど、
脳の仕組みを知ってるだけで、ちょっと気持ちは軽くなる。


そんじゃね昇天