おつかれさまです。
熊本県を震源とする大きな地震が発生してしまいました。
津波の心配はないとはいえ、依然、余震への警戒が必要なようです。
被災されたみなさまに、心よりお見舞い申し上げます。
さて、平成27年度 実力認定の確認は、今回から生化学となります。
ということで、平成27年度 問題16に挑戦レス。
細胞についての記述である。正しいのはどれか。
(1)生体膜は、リン脂質の三重膜から構成されている。
(2)水分子は、生体膜を通過することができない。
(3)リソソームでは、たんぱく質の合成が行われる。
(4)ミトコンドリアは、DNAをもたない。
(5)細胞外液のNa+濃度は、細胞内液より高い。
頻出の細胞・細胞小器官に関する問題ですね。では、確認です。
(1)×
生体膜は、リン脂質の二重層(二重膜)を基本構造とし、
たんぱく質やコレステロール、糖脂質が含まれます。
生体膜は、細胞膜、核膜や細胞小器官を囲む膜の総称です。
(2)×
水分子は、生体膜を通過できます。
リン脂質からなるということで、内側の疎水部を通過しにくいことに
目が向くと思いますが、水の量(濃度)がきわめて多い(高い)ため、
単純拡散により、ゆ・ゅっくりと細胞内に入ることができます。
また、素早い水分子の移動が必要とされる組織(細胞)では、
アクアポリンという水チャネル(膜たんぱく質)から出入りします。
この移動(輸送)は、促進拡散に分類されますね。
(3)×
リソソームは、細胞内の清掃工場に例えられるように、
さまざまな加水分解酵素を含み、不要物質を分解します。
たんぱく質の合成は、リボソームで行われます。
リボソームは、小胞体に付着するか、細胞質ゾルに遊離した状態
で存在しています。
(リボソームが付着した小胞体は、粗面小胞体といいますね)
(4)×
ミトコンドリアには、核に存在するDNAとは別の、独自のDNAが存在
します。これを、ミトコンドリアDNAといいます。従って、ミトコンドリア
ではたんぱく質の合成が行われています。ただし、このDNAは非常
に小さいため、ミトコンドリアたんぱく質のごく一部が合成されている
だけで、大部分のたんぱく質は核のDNAの情報により、合成されて
ミトコンドリア内に運び込まれています。
(5)○
記述の通り、
ナトリウムイオン濃度は、
細胞外液>細胞内液の関係で存在し、
逆に、
カリウムイオン濃度は、
細胞内液>細胞外液の関係で存在しています。
両者は、能動輸送(ナトリウム-カリウムポンプ)や、
促進拡散(イオンチャネル)により濃度が調節されています。
細胞内外液にそれぞれ多く存在する代表的な電解質(主要陽イオン)
については、覚えておくとよさそう!と対策講座で申し上げましたが、
資料にとりあげたわけではなかったため、
卒業してしまった45期生の記憶にあったかドゥーかは・・・?
それでは失礼します。