娘の場面緘黙症に気がつく経緯、カリフォルニア州のサービス制度、初めての発話までのことを書いておきます。



実は、娘は場面緘黙症の診断が正式にはついていません。心理士の考えもあり、必要性(義務教育が始まる幼稚園から、公立学校のみで申請できるspecial education programs-IEP, 504 特別支援プログラム)が生じるまで、そのままにしている状態です。


私達はカリフォルニア州サンタクララ郡に居住していて、0-3 early intervention programの申請と査定を受け、場面緘黙症と診断されてサービスが必要だと認定してもらえれば、公立のプリスクールを斡旋してもらえる上、必要に応じてセラピスト等のサービスを受けることができます。ただ、心理士は、「話せているのであれば、今の現状を変える必要はない。」という考えです。

私の個人的な考えですが、セラピスト達も、場面緘黙症は聞いたことがあるけど、精通している人は居なさそう…と思ったりします。

というのも、近所のママ友が、「心理学を専攻してたから場面緘黙症知ってるよ」と言っていたので、安心してプレイデートに行ったら、知ってると理解しているとは全く別のことだなと思ったことがあったからです。

先月、H.E.L.P


主催のビデオを観た時も、「学校の先生にどんなに説明しても言ってもダメ。場面緘黙症を理解できる人がいないの。」と言ってる親に共感しました。



幼児期に場面緘黙症を診断受けた、NY州のRachel Gordon の話によると、「幼い時に、公立のプリスクールのサービスを受けることができ、両親はガールスカウトや公の場に私を連れて行った。」と言ってる箇所が、しばらく頭の片隅から消えなかったのですが、この子の当時の状態はよく分からないからなあと思う様にしました。

Rachelは場面緘黙症を克服して、ブロードウェイ劇でも歌を歌ったりしているみたいです。



ところで、経緯。

娘(当時2歳)の場面緘黙症に、私は全く気がつきませんでした。場面緘黙症という言葉も会話の不安障害も耳にしたことがなかったからです。


ただ、アレ?と気になっていたことがいくつかありました。


①「車が来るよ。(ママ、歩道を歩いてという意味でした。)」と娘に言われることが多かった。


② 散歩中に声かけられても、一言も言葉を発したことがなかった。


③ 図書館のストーリータイムに行っても、お話よりも周りを気にしてジッと見ていたこと。(1歳児からよくやってました。)


娘の特性なのかと思って呑気に過ごしていましたが、決定的だったのが、チャイルドケアの先生から、「話す様に促してください」の一言でした。

家では元気でいっぱい喋ったり、歌って踊ってる娘が、一言も話さないのが絶対おかしいと思ったからです。


インターネットで調べてわかったのが「場面緘黙症」の言葉。(インターネットの存在が有り難いです。)


私の主人や家族から、私の妄想がすごいと言われながらも、主治医とSelective mutism association に所属する心理士を探して(保険適用外です😭)、第二回目のオンラインミーティングで、心理士、チャイルドケアの先生複数、私たち親子でしました。


心理士は場面緘黙症とは何んぞやから始めることはなく、娘が話すことに強い不安障害が見えると先生に切り出しました。


大まかな提案としては、


チャイルドケアが終わった時間帯で、私と娘が入らせてもらって、会話をすること。


会話は、forced questions (選択肢の質問 

例えば: 赤のりんごと緑のりんご、どっちが欲しい?)という、「うん」や頷きでは答えられない質問をしていく。


ミーティング中に、心理士が、私たちが娘に本を与えるよう指示。そして、娘に質問。旦那が復唱。娘が先生達に本のことを教える。という練習をしているところで、初めて、か細い発話が出たのです。


あのか細い発話は、2ヶ月前に、私の日本の母とのラインでのビデオチャットで、娘に「ありがとう」って言えるかなと促して、初めて言えた音量とそっくり。かすれて、震え上がった声で、今でも覚えています。

娘は私達夫婦以外に、誰ともお話ししたことがなく、義理の両親が家に滞在しても、娘の一言を聞くことがなかったのです。(娘が日本語しか知らないと思っているせいか、誰一人、この状況がおかしいとは思っていなくて、むしろ2歳だからとこんなものと思っていたんです。)


お子さんによるかもしれませんが、一度学校で声が出ると、何らかのサポート(子どもが安心できるようになることですが、学校と親の出来る範囲内になってくるはずなので、この辺は心理士と話した上、学校に相談するしかないと思います。)があれば、継続して発話できると思います。

娘の場合は、発話は返答のみだったり、相手から振られた会話を凸凹(出来る時、出来ない時がある)ながら、少しずつ内容の展開をしていけられることが可能だとは私は思います。


でも、あいさつや「ありがとう」は非常に難しいです。数ヶ月前までは、私に促されて「ありがとう」をクラスメイトと先生に言ったことが何回かありますが、今は殆ど促しても無言のままです。


英語圏の場面緘黙症の親のサポートグループ(Facebook) に、私も参加しているのですが、そこでも、場面緘黙症の子は、(一部の)大人と話せるけど(子どもと話せない、逆に(一部の)子どもと話せるけど、大人と話せない、があると言ってました。


娘は、前者で、子ども全般に恐怖がある様子。

自ら子どもに発話したことがありません。


先日、私とクラスメイト1人と娘が遊んでいる中でやっと「嫌だ(飛行機貸したくない。)」とその子に主張したくらいです。


続きはまた別の機会に書きます。