釣りでキャスティングする時のタックルの持ち方について
釣りをしている時に、タックルの持ち方が間違っている方がいます。基本の持ち方を理解しなければ、ルアーフィッシングや投げ釣りの餌をキャストする際に、きちんと投げることができなくなります。投げた時の飛距離も出ません。
私は球技スポーツの経験として、中学生時代に、バスケットボール部に入部していました。ジャンプシュートを例にすると、持ち方が悪い場合、シュートをした時に回転がかからず、ゴールに届かなかったり、相手にカットされてしまいます。
私は、野球をしていた経験は無く、中学と高校の授業でソフトボールをしたことや、大学生時代に所属していたサークルで草野球をした位しかないです。しかし、野球未経験者の私から見ても、野球やソフトボールのボールを投げる時に、正しい握り方や腕の振り方等のフォームを身に付けることで、ボールをしっかり投げることが出来るのだと思われます。
釣りでルアーや餌をキャストする時と、野球やバスケットボールなどの球技スポーツでボールを投げる時に共通するのは、持ち方が悪いと、手首のスナップを利かせられない為、きちんと投げることができないことに繋がると思われます。
釣具の持ち方で、キャストをする時の間違った持ち方として挙げられるのは、スピニングタックルではワンフィンガーグリップとスリーフィンガーグリップ、ベイトタックルではツーフィンガーグリップとスリーフィンガーグリップです。
スピニングタックルは、ツーフィンガーグリップで持つようにできています。リールの脚を、利き手の中指と薬指で挟む持ち方です。
キャストしたら、フェザーリングという、人差し指の指先でリールのスプールエッジを抑えながら、狙っているポイントまでの距離感に応じて、ラインを放出量を微調整するブレーキのかけ方をします。
スピニングタックルのワンフィンガーグリップは、ギャル持ちとも呼ばれている持ち方で、釣り初心者の女性に多く見られることが由来しています。リールの脚に人差し指を掛ける持ち方です。この持ち方だと、キャスト準備の段階で、人差し指でラインを拾えないのと、スプールエッジに指先が届きにくい為、フェザーリングができません。指が届いても、無駄な力がかかって、指を痛めてしまいます。
スピニングタックルで、リールの脚を薬指と小指で挟んで持つ方法である、スリーフィンガーグリップが間違っている理由は、キャストする際に、ベイルアームを起こす時に、ラインローラーのところでラインが擦れてしまうので、傷ついたラインが切れてしまうことに繋がります。気付かずに続ければ、ラインが切れて、ルアーだけが飛んでいってしまいます。
一方、ベイトタックルは、キャストする時に、ワンフィンガーグリップで持つようにできています。利き手の人差し指を、ロッドのグリップのトリガーに掛け、サミングと呼ばれる、親指の指先で、ラインの放出量を微調整します。ベイトリールは、クラッチレバーを、親指の腹で押して、フリー状態にしてキャストします。
ベイトタックルのキャストでは、ツーフィンガーグリップやスリーフィンガーグリップが間違っていると言われるのは、クラッチレバーを押しにくいのと、サミングがしにくくなるからです。
村田基さんが、DVDの「村田基のキャスティングマスター ベイトタックル編」の中で、基本をしっかり身に付けてからやる分には構わないと言っています。
また、バスプロの並木敏成さんが、DVD「The ultimate 7 マシンガンキャスト」の中で、ベイトタックル使用時に、ワンフィンガーグリップにしている理由は、素早くシャープにロッドを振ることができるからです。
実際、私の従兄が、過去に私と一緒にバスフィッシングをした時に、スリーフィンガーグリップで、「ピッチング」という種類のキャストをしていることがありましたが、従兄は基本を身に付けてから行っています。
釣りでタックルの持ち方が悪いと、キャストする時に、しっかり投げることができないだけでなく、キャストコントロールも悪くなると思われます。
私の地元、茨城県にある霞ヶ浦水系のような、マッディーウォーターと呼ばれる、水が濁っているフィールドでは、魚が障害物に付きやすくなる為、ルアーを障害物の際や隙間、オーバーハングしている場所のした等に、タイトに落とすようなキャスティングが必要になります。
また、オープンウォーターを狙う釣りでも、サイトフィッシングのように、見えている個体を狙う釣りでは、オープンウォーターでも、タイトにキャストする必要があります。
以前、YouTubeで、バスプロの田辺哲男さんが、過去に出演した番組を観ていた時の事です。田辺さんは、バスプロでありながら、バスフィッシング以外にも、国内で真鯛釣りをしたり、海外でもバスフィッシング以外に、ジャイアントトレバリーやターポンなどのターゲットを釣っていることがあります。
マレーシアの淡水魚の人気ターゲットで、ライギョの一種である、トーマンという魚を釣る番組でも、オープンウォーターでサイトフィッシングしているシーンを観た時のことです。トーマンは、ジャイアントスネークヘッドとも呼ばれる魚で、エラ呼吸と肺呼吸する魚です。サイトフィッシングでは、肺呼吸をする時の波紋が見えるので、それを狙ってキャストします。
例えば、野球の場合、ピッチャーはコントロールが良くないと、相手に四死球を与えたり、長打を打たれる可能性が高まると思われます。
野球未経験でも、私は最近、故野村克也さんの著書を読むことがあります。特に、「野村ノート」と「上達の技法」は、仕事術の本でありながら、釣りやゴルフなどの趣味として楽しめるスポーツの、技術を上達させたり、結果が良くなる為のヒントが書いてあると思いながら読んでいます。
野村ノートでは、ピッチャーのコントロールについて、メジャーリーグの格言を取り上げています。「コントロールのないピッチャーはピッチャーとはいえない」という格言です。
魚を誘っている時や掛かった魚とファイトしている時の持ち方について
釣りをしていて魚が掛かって合わせる時に、サイズが大きかったり、引きが強い魚を釣る場合も、間違った持ち方をしていれば、魚とファイトしている時に力が入らない為、下手すればフッキングした瞬間に竿もリールも持っていかれて、手から離れてしまいます。
釣具の持ち方で、リールを巻く時の持ち方は、スピニングタックルは、ツーフィンガーグリップ、ベイトタックルは、スリーフィンガーグリップで持ちます。
スピニングタックルは、キャスト時も、利き手でツーフィンガーグリップでキャストしますが、キャスト後はそのまま、リールのハンドルを逆手で巻きます。右利きなら、左手でリールを巻くということです。
但し、村田基さんがセミナーや動画で説明しているように、ジャイアントトレバリー(ロウニンアジ)のような、ルアーフィッシングの人気ターゲットで、海の大型魚種の一部では、右利きでも右巻きのリールを使うことがあります。魚とのファイト中、両手で引っ張って、余った糸を巻くという方法です。
ベイトタックルは、パーミングという持ち方でリールを巻きます。右利きの場合、基本は、左手でパーミングして、右手でハンドルを巻きます。パーミングは前述したスリーフィンガーグリップで持ち、トリガーを薬指と小指で挟む持ち方です。魚をフッキングして、ファイトしている時の力が入る持ち方です。
釣具の持ち方で、リールを巻いている時に取り上げられる間違った持ち方は、まず、「芸能持ち」と呼ばれる、テレビ番組で釣りをしている芸能人に多く見られる、間違った持ち方が挙げられます。リールを巻く時に、グリップの竿尻部分を持った状態でリールを巻く動作です。
釣りを教える立場の人の教えを守らないのか、指導者がきちんと教えてなかったのかはわかりませんが、釣りをしたことがない方に多い持ち方の一つです。
この持ち方で、リールを巻いていれば、ブラックバスの60upや70upといった、モンスターサイズが掛かった場合は、力が入らないので、ファイト中のやり取りができません。バスは50upでも、かなり引く個体がいるので、芸能持ちは絶対にやってはいけない持ち方の一つです。
ブラックバスのランカーサイズやモンスターサイズに限りません。フィッシュイーターと呼ばれる、ブラックバスをはじめ、シーバス(スズキ)、ナマズ、ライギョ、海外の魚たちは、ブラックバスよりも引きが強い魚ばかりです。
村田基さんが、過去のフィッシングショーのセミナーでも話していますが、世界のフィッシュイーターの中でも、ブラックバスは最も引かない魚であると言っています。バスの体重だけで比較した場合、6㎏でも、1分で上げることができる魚であると話しています。また、体長で考えた場合、大きくなった分は引くと言っています。その為、50cm以上の個体は、その分の引きが強くなるということです。
話を元に戻します。釣具の持ち方で、リールを巻く時の間違った持ち方として、次に挙げられるのは、ワンフィンガーグリップです。スピニングタックル、ベイトタックル共に、キャスト時の持ち方にも書いた通り、ギャル持ちです。 フッキングやファイト中は、力が入らないので、引きが強い魚を相手にやり取りはしにくいですし、芸能持ち同様、タックルが持っていかれる可能性があります。