映画 チョコレートドーナツ (2012)について 映画データベース - allcinema

 

タイトルから何も想像できなかったので、なんとなく軽い気持ちで見てみた。

そんな軽い気持ちで覗き見るには重すぎる内容だった。

感想をヒトコトでいえば、ただただ悔しい気持ちにさせられる。そんな映画でした。

 

ゲイカップルの二人(ルディとポール)がダウン症の子供マルコを引き取ろうと奮闘する話。

これも実際にあった出来事が元になった映画だそう。

実話を映画化!ではなく着想を得て制作、なので内容はフィクションですかね。

 

二人の恋模様はあまり感情移入出来るものではなく、出会ってソッコーで関係を持ち

出会って2,3日でマルコを引き受け3人で生活する。

そのあたりの展開が早いわりに、不思議と置いてけぼりにされる感覚はなかった。

 

まぁでも少し突っ込むとすれば、二人が元々付き合っていて、子供がほしいねってタイミングだったとかでもなく、マルコと元々面識があって親しかったわけでもなく、ただの隣人。

隣人に子供がいること自体、知ったのは引き取ることになる1日前。

ただただ優しい子供好きの二人だった、て片付けるのもあまり腑に落ちず

そもそもの経緯の設定に少し無理がある。元々カップルのスタートでも良かったのでは?

と個人的には思うけれど、重要なのはそんな人間模様なんかじゃない。

 

同性愛者だというだけでポールは会社をクビにされる。

マルコの監護者権利を争う裁判では、偏見だらけの質問ばっかり。

マルコを保護したい、そのために生活環境も整えて母親の許可もとっているのに

ただ二人が同性愛者だから、ただそれだけで立ちはだかる壁があまりにも高く厚い。

何をどうやったって「ゲイだから」認められない。

ゲイの二人がキスするのをマルコが見ると悪影響。

ゲイが女装しているのをマルコが見るのは悪影響。

ゲイの二人がマルコを養育するのは悪影響。

裁判で監護者の権利が認められなかった理由は「ゲイだから」だけ。

あまりにも理不尽。

挙げ句元仕事仲間に嫌がらせかよ?という手回しをされ、とことん二人がマルコを引き取れないように周りが動いてる。

 

主人公二人以外の争う理由は

「ゲイに子供を育てさせてはいけないから」

主人公二人が争う理由は

「マルコを幸せにしてあげたいから」

母親のところに戻っても、また同じことを繰り返すだけなのは分かってたから戦ったのに

ゲイだからという差別思考だけでそれを阻止される悔しさ。

裁判の質問ひとつひとつも、ただただ腹が立つ。

 

ああ・・そうか・・。

二人は二人の子供がほしいからマルコを保護したい、ではなくシンプルにマルコを守りたい。それだけだったからあえて元々子供が欲しかったカップルの設定ではないのかもしれない。

 

ルディが裁判の時に放つ

「1人の人生の話だぞ。あんたらが気にも留めない人生だ」

というセリフがすごい印象に残る。本当にマルコを大切に想ってるセリフ。

誰もマルコの事なんて考えてない。ゲイが子供を引き取ろうとしてるって事しか考えてない。

何がマルコのためかなんて考えてない。人ひとりの人生がかかっていることを考えてない。

考えてるのは主人公二人だけ。本当に悔しい。

本当に二人がマルコの親としてふさわしいか、本当に母親の元に居なくていいのか。

これは難しい問題だけど、マルコは終盤は完全に二人といることを望んでたので、子供の気持ちを尊重してほしかった。

 

ポールは手紙で、マルコの最期を裁判に関わった連中に伝えるけど、

本気で心を痛めるやつがいるだろうか。

 

胸糞というか、もう・・ほんと悔しい。

差別問題だけではなく、児童虐待のテーマも含まれてる。

この話はフィクションだけど、同じようなことが現実にたくさん起こってる。

考えさせられる映画でした。