こんにちは
近頃はすっかり暑くなりましたね!
そんな日にぴったりの作品を観ました
ブロードウェイにて上演されていたミュージカルを映画化したこの作品♪
ラテン系の音楽が明るくてノリが良いです
◆概要
監督:ジョン・M・チュウ
脚本:キアラ・アレグリア・ヒューディーズ
キャスト:アンソニー・ラモス、コーリー・ホーキンズ、レスリー・グレイス、メリッサ・バレラ 他
①テンポの良いラテン音楽♪
舞台はNYの一角にあるワシントン・ハイツ。
そこは中南米からの移民の多い街。
互いに助け合い、悩みを抱えながらも、
音楽と踊りを楽しみ、前向きに生きる人々。
そんな街に暮らし、逆境に立ち向かっていく若者を中心に描いた作品。
物語の冒頭からラテンミュージックがかかり、
瞬く間に作品の世界観に引き込まれます
うだるような暑さと街の雰囲気、人々の生活が一気に感じられ、
まるで自分もそこに居るかのような気持ちにさせてくれました。
これは是非、ミュージカルで生演奏で観たいな~と思いました
その反面、道路を使って大勢で踊るシーンは、
上空からの撮影のようで迫力があり、これは映画ならではの魅力にも思います
作品全体を通して、様々な音楽に合わせて歌いながら物語は進行していきますが、
それぞれ悩みを抱えているシーンではしっとりした音楽が使われている…
かと思えば、一気にラテンらしい曲調に切り替わってテンポの良さを感じます!
②移民問題の難しさ
この物語は沢山の人々の生活と心情が描かれています。
・父親の店の再建を夢見て故郷に戻ることを考えている者
・ファッションデザイナーの夢を叶えるべく、ダウンタウンへの引っ越しを実現させたいけれど堅い信用証明ができず、不動産契約すらできない者
・街一番の優等生でスタンフォード大学に進学するも、厳しい差別に合い心を痛める者
などなど。。
不法移民扱いになってしまうことで、
銀行口座が持てなかったり、
頭が良くても大学に行けないといった悩みもあります。
反対に、夢を実現できても、その先の差別問題にぶつかり、心が折れてしまうことも。
それぞれが抱える多様な問題が描かれており、
考えさせられることが多かったです。
そして主人公たちよりもっと上の年齢で、
街の皆のお母さんとして親しまれているアブエラが、過去を語って(歌って)いるシーンは、
胸を締め付けられました。
貧しい故郷よりも、仕事のあるニューヨークでの生活を夢見てやってきたものの、
働きづめの現実に明け暮れる日々。
合言葉は<忍耐と信仰を>。
夢を持って生きてきた彼女は何を手に入れられたのか…。
アメリカ合衆国という多民族国家ならではの問題かもしれませんが、
きっと私達が気が付かないところで、日本にもまだまだ根強い差別は残っていますよね。
YouTubeなんかを観ているとそういったコンテンツを発信している人を見掛けます。
全てを一気に変えることはできなくても、そうやって声を上げていけば変化は起きてくると信じたいです。
現に、数十年前と比べると、多様な価値観が受け入れられるようにもなっているので、
意識することで良い変化が生まれるのでしょう。
この作品を誰かに薦めることもまたその意識のひとつかもしれません。
③街のみんなの絆
上述の通り、ワシントン・ハイツの外に出れば差別に悩まされます。
しかしその反対に、この街はとても温かく、固い絆で結ばれているように描かれています。
特に、街で初めて大学への進学をしたニーナに対して皆が懸命に応援していた点は印象的でした。
家族のように想い、成功を期待し、誇りに感じ、街の自慢だと言える人々。
うらやましがったり、ひがんだりなんてしないで、本気で皆が彼女を大事に想っていることが伝わり、観ていて心が温かくなります。
(ニーナ自身は、大学での生活が辛いので皆の期待に応えられないと困ってはいるんですが…)
その他にも、困ったときにはお互いが支え合い、力を合わせて生活しているシーンが多数描かれています。
誰かの悩みや問題を察し、時には助言したり、
反対にそっと寄り添ってあげたり。
お互いの気持ちを理解しようと真剣に向き合っている姿がいいです。
噂が多く、なんでもかんでも筒抜けなのは恥ずかしいですが
それだけコミュニティの結束力が固いことの証明になりますね。
苦労の日々を重ねたアブエラが得たものは、
そんな街の人々=家族だったと信じたいと思います。
この物語のキーワードとなっている、
「小さな夢(エル・スエニート)」に向かって葛藤を抱えながらも、日々自分にできることを積み重ねていく主人公たちにエールを送りたくなる、そんな一作です!
本当はコロナさえなければ2020年は主人とNYに行きたいねって話していたのに
ブロードウェイで観たかったー!!!
と、悔やまれます。