あの店のあのホットドッグは
一人で見知らぬ街を彷徨い歩いたことを不意に思い出させた。
そういえばあの時もこのホットドッグとアイスティーだったなと思った。
誰もいない、静かすぎたあの店で、
手元がおぼつかない新人の店員と、
人手が足りなかったのかスーツ姿の男性社員、
そして慣れた手つきの気だるげな女性店員に見守られながら、
色んな事を考えながら、レタスがはみ出て食べにくい
あのホットドッグを食べていたな、と思い出した。
別にあの瞬間が人生を左右するような
ものすごい大切な瞬間というわけではなかった。
ただ知らない街での何気ない昼食だったのだが
どうしてか鮮明に記憶に残っている。
そういえばコンビニのあの中華まんも
不意に思い出させる何とも言えない記憶がある。
確かあれは自分が高校生だった頃の記憶で、
凍てつく寒さから逃れるために駅のバスの待合室で
あの中華まんをほおばっていた記憶がある。
特に大切な記憶というわけではないけれど、
どうしても頭の中に残像が残っている。
ただその時の自分は漠然とした孤独を感じている。
まるで世界の果てにいたような、
言いようのない孤独がそこにはあったんだと思う。