■フンガハアパイ大噴火
1/15にトンガのフンガトンガ・フンガハアパイが大規模な海底噴火して、日本にも最大1.2mの津波が到達し、世界中が騒然とした。
世界で100年に一度あるかないかと言われる大規模噴火だった。
「破局噴火」と呼ばれる、文字通り破局的な火山噴火がある。
「大規模カルデラ噴火」とも呼ばれるが、ある小説で用いられたこの言葉が、この形態の噴火を表すのに適していると思われたのか、その後に火山学者なども用いるようになった。
2015/08/25にTOCANAで、『【警告】桜島大噴火したら「再稼働の川内原発壊滅」「放射性物質入り火山灰が日本全土に飛散」?』と題した記事を書いた。
いつもはTOCANAに私の記事が掲載されると、他のニュースメディアなどに配信される。
だが、この時にはBIGLOBEとAmebaぐらいにしか配信されなかった。
■メディアタブーに触れてしまった
「あーなるほど」と一人で納得したものだった。
つまり、「メディアタブー」の領域に入ってしまう記事を書いてしまったのだ。
7年前のトカナの記事を執筆した時には、鹿児島県川内市にある川内(せんだい)原発1号機が再稼働していた。
その4日後、52km離れた活火山である桜島で火山性地震が急増し、山体が誇張。噴火警戒レベルが初めて4(避難準備)に引き上げられた。
九州電力は「現時点で、影響があるとは考えていない」としたが、多くの地震学者はその見解に疑問をもっていた。
その記事で、何が「タブー」だったかというと、2つあるように思う。
1つは、編集部から言われていた「原発ものは控えてください」ということ。
前述のように、配信してくれるメディアが限られてくるからだ。
もう一つ、やはり「破局噴火」がいつか起きるということは、日本全体で「無いこと」にしたいというのがあるのではないだろうか。
いわゆる日本人の「正常性バイアス」というか、嫌なことはなるべく考えないようにしようという。
■7300年前の破局噴火
「カルデラ噴火」または「破局噴火(破局カルデラ噴火)」と呼ばれる噴火形態は、地下のマグマが一気に噴出する形式のもの。
過去には地球的規模の環境変化や動物の大量絶滅をもたらしてきた。
下記の図は、7300年前に日本の九州沖の鬼界カルデラで起きた破局噴火のもので、火山灰がどれだけ遠方まで到達したかを示している。

【図】7300年前の幸屋火砕流と鬼界アカホヤ火山灰
【題名:日本周辺における阿蘇4火山灰(Aso-4) 広域テフラ分布の地図、90-85ka(9万-8万5千年前)。、作者:Yug(CCライセンス 表示3.0)】
2015年5月30日に放映された「報道ステーション」(テレビ朝日系列)に出演した鹿児島大学の井村隆介准教授によると、前述の姶良カルデラの破局噴火により、南九州の動植物はすべて死に絶えるという想像を絶する事態になったという。
そして、実際に川内原発まで火砕流は達していただろうと語る。
武蔵野学院大特任教授の島村英紀氏(地球物理学)は、こう語る。
「とんでもない大きな規模の噴火であれば、川内原発に影響を与えることは十分に考えられます。九電は実にいい加減なことを言っています。仮に大規模な火砕流が起これば、原発内のすべての施設がやられる可能性もある。福島原発のように『電源喪失』という事態に陥るかもしれないのです」(日刊ゲンダイ、2015年8月17日)
神戸大学大学院理学研究科の巽(たつみ)好幸教授(マグマ学)も、同様にこう語る。
「九州には巨大カルデラ火山が5つあります。噴火の規模にもよりますが、過去にあった巨大カルデラ噴火が起きた場合、5つのうちどこで起きても川内原発は何らかの影響を受けると思います。いろんなケースが想定されますが、火砕流によって原発が破壊された場合、放射性物質を含んだ火山灰が日本全土に飛散する可能性も考えられます」(女性自身、2015年9月1日号)
そもそも、この災害大国の日本で、原発など設置してはいけないのだ。
だが、「原発大好きな現政権」(としか思えない)は、この国から原発を積極的に推し進めようとはしない。
■次の破局噴火は?
前述の巽教授は、過去の日本では破局噴火は平均6000年程度の周期で起きていたが、多数の犠牲者が出るような破局噴火は過去7300年間ほど起きていないため、「いつ起きても不思議ではないということです」(女性自身、同上)と警告する。
下記マップで赤丸で示すところが、次の巨大カルデラ噴火(破局噴火)が起きる可能性がある場所。
巽教授によるもので、現代の日本で起きれば、規模によってはこのような範囲で火砕流と火山灰が到達するという見積もりだ。
ここにあるように、最悪の場合は1.25億人の命が失われるという。
つまり、文字通りの「破局」となり、国の存続が危うくなることになる。
このような国に住んでいることを忘れずに、トンガ沖の噴火は他人事ではないという意識を常にもつことが大切だろう。
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