■樹木のチカラ

「樹木のチカラ?地震と関係あるの?」
ほとんどの人は、この記事タイトルを見てそう思うだろう。

昨日2022/1/16の神戸新聞NEXTに、興味深い記事が載っていた。
『樹木が減災、延焼防ぐ 震災後判明した「緑の効果」』と題したもの。

 

 

 

阪神・淡路大震災から今日で27年。
あの時、高速道路の倒壊などの壮絶な被害が発生した。
だが、樹木が被害を軽減してくれる効果があった。

兵庫県立人と自然の博物館の中瀬勲館長(73)は、阪神・淡路大震災後、研究グループの一員として被災地を調査した。
そして、緑化が防災に役立つことを明らかにした。

 

■樹木が倒壊を防いだ

中瀬氏は、27年前の大震災発生時、兵庫県立人と自然の博物館の環境計画研究部長を務めていた。
そして震災発生の2~3週間後、被災地の調査に赴いた。

がれきに埋め尽くされた街を見回ると、街路樹が倒壊を支えていた家屋が目立った。
がれきが道路まで出ることを防ぎ、交通を確保していた例が30件以上あった。
電柱では支えきれず、折れている場所が多かった。

火災が発生した現場では、樹木に蓄えられた水分が防火機能を果たし、延焼が止まっていた。
他にも、ツタや生垣などを含めた植物が、建物の周囲の緑が崩れたガラスやタイルを受け止めたり、根が斜面の崩壊を防いでいた。

 

■緑の効果

中瀬氏が被災地で確認した「緑の効果」には、以下のようなものがある。

(1)街路樹が倒壊する家屋を支え、がれきが道路をふさぐことを防いだ。
(2)建物の周りの緑の空間がガラスやタイル、看板などを柔らかく受け止めるクッションの役割を果たした。
(3)樹木の根が斜面や植栽基盤の崩壊を防いだ。
(4)樹木に蓄えられた水分が防火機能を果たし、火災の延焼を止めた。


今日、本部ブログで書いた、神戸市の「1.17の記録」写真アーカイブでも、そのような写真を見つけた。
倒壊寸前の家屋を、樹木が守っている。


写真コード:b009、エリア:灘区、カテゴリ:住宅、撮影場所:岩屋北町3丁目周辺
【題名:岩屋北町3丁目周辺、作者:神戸市(CCライセンス 表示2.1 日本)】


植物の根が、軟弱な地盤の土地を守ってくれる。
人間と植物の共存は、ここにもみられる。
有り難いことだ。🙏