家に帰ってから
フジオは早速、父親の戸籍謄本を取り寄せるための準備にとりかかった。
A県の市役所に必要な書類、お金を郵送した。
1ヶ月もかかってないだろうか。
A県から父親の戸籍謄本ほか、頼んでいた書類が送られてきた。
送られてきたものを持ってフジオが家にやって来た。
ついに、フジオの父親の居場所が分かる!
一体、どこで何をしているのだろう。
ドキドキ。。。
私「どうだった?」
フジオ「少し遅かった…
」
私「どゆこと??」
フジオ「一年くらい前にお父さん亡くなってた…」
戸籍謄本を見ると、
一年ほど前に死亡届が出されていた。
一年遅かった…。
もう話すことはおろか、会うことさえ、顔を見ることさえ出来ない。
フジオは悔しいだろう。
かける言葉がなかった。
しかし、戸籍謄本からフジオ父について分かることもあった。
フジオ父は、なんと3回結婚と離婚を繰り返していた
つまり、フジオ母と別れた後、2回結婚して2回とも離婚している。
しかも、すべてデキ婚。
フジオは一人っ子として育ったが、
実は腹違いの兄弟が2人もいることになる。
田舎の家でぬくぬくと恵まれて育った私には
世界が違うような話だった
そして、分かったことがもう1つ。
フジオの祖母はまだ生きている!
父方のフジオ祖父母は
フジオが小学生の頃(施設に預けられる前)、放課後面倒を見てくれていたらしい。
フジオ母とはあまり仲良くなかったらしいが、
フジオは自分には優しく接してくれたと記憶している。
フジオは、今度は祖母に会いたいと言い出した。(祖母の住所も戸籍に載っていた)
祖母に会って、父親の話など聞きたいようだ。
また、夫だけでなく息子にも先立たれ一人ぼっちになっているであろう祖母を心配していた。
フジオは、
「会いに行きたい!」
と言っていたが、
「いきなり行っても迷惑だろうから
まずは、お手紙でも書いてみたら?」
と提案した。
フジオは会いたい気持ちのほうが大きいようだったが、
手紙を書いてみると納得した。