私は本当にツラいときほど
人に弱味を見せるのが苦手な人間だ。
と自分で思っている。

病気になったときも家族にも友人にも職場にも弱味を見せなかった。

唯一、弱味を見せてたのは
フジオだった。

フジオにだけは甘えることができた。

と言えば、聞こえはいいだろうか。

はじめは純粋にそうだったと思う。

だが、フジオに不信感を抱くようになってから
それはだんだんと変わってきた。

「しんどい」「つらい」と言えば、
フジオは心配してくれる。
私のそばに居てくれる。

そう思うようになった。

病気を利用して
フジオを繋ぎ止めようとした。

私も必死だった。

でも今なら分かる。

そんな女、全く魅力的じゃない。