LIVIN' PROOF-sin
松本好きの職場の先輩
(俺みたいに信者というほどではないが)

と一緒に、日曜の昼間に行ってきました。

それに加え、シルバーウィーク真っ只中だと言うのに

入ってまず座席を見渡すと、お客さんはまばらもいいとこ。

色んな意味で「大丈夫か?」と思わざるを得ない。

 

あ、まずはじめに前作(大日本人)ですけど、

例によってあの時も公開して間もなく劇場に足を運びました。

結論から言うと、期待はずれ。

別に映画として完成されてなくてもいい。

俺は松本の笑いが好きだから、笑えさえすればそれでいい。

と、思っていたのだが、

これまで笑わせてくれたコントや企画などを振り返ってみても、

あれが真骨頂とは到底思えないし、思いたくない。

あのときは、松本が本気で作った”笑い”を、

自分が理解できてないだけなんだということで

自分を納得させていましたが、

その後、過去の色んな松本の作品を観直しつつ、どう考えてみても、

(大日本人が)それらを越えるレベルの笑いであるとは思えないんですよ。

そういう歯痒い思いを、

この2作目の『しんぼる』で払拭してくれることを暗に願ってもいました。

 

なんかこのまま書いてくと、ダラダラと長くなりそうなんで

結論から言います。

 

松本信者が観ると、微妙。

一般の客が観ると、最悪。

 

こんな映画です。

好きな芸人は、「はんにゃ」って言うような女の子を連れて行っても、

理解不可能で終始、ピクリとも笑わないでしょうね。

なんならその場でフラれてもおかしくないレベル。

その子がとことん頭の弱いコで、

笑いの理解力が外人なみ、いわばポップコーンのような頭のコなら

少しは笑ってくれるかもしれません。

 

 

…あれぇ~っ?!どうした、松本!!

あんなもんでいいのか!

ええ?松本よ!!

思わずフッと吹き出してしまうシーンは何度かあったものの、

所詮、その程度。それ以上はない。爆笑なんてもってのほか。

海外向けに作ったと言い切ってしまえばそれまでだけど、

ちゃんと足を運んで金を払って松本だから期待して観にいく

日本のファンのことも当然、考えてほしい。

こんな映画だけど、いち作品としてネタバレは極力避けたいので、

あまり突っ込んだことは書かないが、

屁のシーン、あれは特に酷いよ。

あれではアメリカ人どころか、外人ですら笑うには至らないと思う。

外人向けにあえてレベルを下げたと言うのであれば

外人、もっと言うと観客をナメすぎだわ。

 

そこだけならここまで書かない。

他のネタも、一時は笑いの神とまで崇められた、

あの天才松本が考えたとは思えないほどの幼稚さ、陳腐さ。

あの程度のものを、「シュール」という曖昧な言葉で片付けたくはないし、

ほとんどのネタはフリをたぁっぷり効かせた、

天丼のようなわかりやすぅ~い笑いの基本ばかり。要するにベタ。

また尺を稼ぐ為だけとしか思えないようなテンポの悪さ。

メキシコパートは無駄の一言に尽きる。

せめて、そこ8割削ってひたすら出てくる物で抜け出そうと切磋琢磨する

修行パートで2時間作ってくれたほうがまだマシなものに仕上がったと俺は思う。

設定に関して言うと、前作に比べてオリジナリティがない。

オリジナリティについては、

常日頃からしつこいくらい言ってきた松本の作品だからこそ、

そこはすごく重要な要素だと思う。

確かに前作、大日本人は今までにない、斬新な映画だった。

出来の善し悪しはさて置きね。

ところが、今回のはそれもない。

設定や展開は似た映画は山ほどある。

(状況や条件は違えど、

密室から抜け出すという主旨は極めて凡庸。例:SAW,CUBEなど

 

極論を言うと、それら間(ま)の悪さ、ネタのクオリティ、すべて含めて

「いやいや、今回のはあくまで海外に向けた作品ですから」

で済まそうとするのなら、わざわざ日本で公開しなくてもいいよ。うん。

日本には本当に松本のコアな笑いが好きで

そういう作品を心待ちにしている人達がいる一方で、

それを度外視したような作品を作り続けるくらいなら

宣伝の為に他の大物芸人と絡んだりして

変にファンの期待を煽るようなことはせず、

「SASUKE」のときのように海外でのみ公開という形をとってください。

もしくは、海外向けの作品だろうと変に合わせに行くんじゃなく、

日本のファンが観ても納得できるような

本来の松本人志の笑いで勝負してください。

もし、本気で勝負に行った作品がこの程度ならば、

もう何も言いません。

…誤解しないでね。俺ははっきり言って信者だけど盲目ではないよ。

だからこそ、言ってるんです。

 

ちなみに一緒に行った先輩は、

「松本、やってもーたなw」って言ってました。

 

散々、上で松本の笑いがどうとか書いてる俺は、

じゃあ一体、松本のどんな笑いが好きなのか、

なにを基準に頂点であると考えているのかが

言葉だけでは伝わらないと思いますので

ひとつ、例を貼っておきますね。

コントだけに限っても、他にも好きなのは山ほどありますが、

ここはひとつ、比較的わかりやすいであろうものを。

これはもう、かれこれ10年ほど前くらいになりますかね?

”ごっつ”での「梅ちゃん」というコントです。

 

あぁ、松本のこの演技力を、映画の中でも活かしてくれてたら…。