『このブログ小説はフィクションであり

登場人物、団体名等は全て架空のものです。』

~あらすじ~

 

 

 

「きゃあっ!!」

運転席から大輔が見た強い螺旋状の閃光は、

大輔たちの乗っている車を丸ごと飲み込んでいった。

 

・・・。

い!すけ!だ・・・ぶか?!

「だいすけ!おれのこえがきこえるか?!」

重いまぶたを半ば無理やり抉じ開けると

目の前に雄太が覆い被さっていた。

「・・・っつ!」

耳の奥が痛い。

恐らく先程の螺旋状の光のせいだろう。

雄太の声がいまいち聞き取りづらかったのもこのせいか。

なんとか意識を呼び覚まし、辺りを見回すと

そこには目を疑う光景が広がっていた。

なんと、暗闇の奥には木々が生い茂っているのがなんとなくだがわかる。

夜の森の中だ。いや、森なのかどうかすら定かではない。

むしろ、夜なのか?バッと上を見上げると空は紫色をしていた。

背後には綺麗な湖のほとりが広がっている。

空気が生暖かい。ちょっと暑いくらいだ。

ここはどこだ?ついさっきまでは確かに昼すぎくらいで空は真っ青だったはずだ。

すぐに左手の腕時計を見るが、時間は1時10分で針が止まっている。

混乱が混乱を呼ぶこの事態に大輔は軽い眩暈を覚え、手は震えていた。

「大輔!しっかりしろって!」

ふと我に返り、由佳と拓也がいないことに気付いた。

「俺もたったいま起きたとこなんだ!

由佳と拓也ならあそことあそこにいるから俺は拓也を起こしてくるよ!

お前は由佳を頼んだぜ!」

よく目を凝らして辺りを確認すると、

左手奥に10mほどいったところに何やら倒れている人影らしきものが見えた。

重い身体をひきずりつつも慌てて駆け寄る。

そこには確かに由佳がくるぶし辺りまで湖に浸りながら倒れていた。

「おい!おい!由佳!!聞こえるか?!」

頬を2,3回軽くはたきながら必死に名前を呼んでみる。が、起きる気配はない。

「おい・・・シャレんなんねぇぞ・・・」

鼓動がどんどん早くなっていくと共に、段々目頭が熱くなっていくのを感じた。

今度はとっさに湖で手を濡らして頬に手を当ててみた。

「・・・めたっ!つめたい!」

次の瞬間、由佳の瞳はパチッと開いた。

大輔は無意識のうちに由佳の肩を抱いていた。

「大ちゃん・・・?どうしたの?ていうかここ・・・どこ?」

自分でもよくわかっていないが出来る限りの事情を説明した。

そうしているうちに雄太が拓也を連れて戻ってきた。

「ねえ・・・あたしたちの乗ってた車は・・・?」

「そうなんだよ。もう、マジわかんねぇことだらけだよ!」

黙っていた拓也がおもむろにジャケットの内ポケットから携帯を取り出した。

「・・・チッ!圏外だとよ」

「第一、誰かに繋がったとしてもどうやってここを説明すんだよ」

「場所を伝えることが出来なくても事情を伝えることが出来れば何らかの手掛かりにはなんだろ」

「つうかここでずっとウダウダしてても始まんねぇぞ。

頑張って歩いてまずはこの森から抜け出そうぜ」

「えーやだこわい~!」

確かに森の中は微かに道らしき空間は存在するものの周囲はひたすら闇だ。

音も光も無に等しい。

「けど確かに雄太の言う通りだな。外から見ないことにはここがどこかすら謎のままだ」

そうして4人は恐怖心と戸惑いを押し殺して行動に移す決心をした。

「おい、みんな。俺に携帯を貸してくれ」

そう言うと拓也は4つの携帯を両手でまとめて自分の足元を照らした。

「簡易懐中電灯だ」

「拓也くん頭いい!」

その簡易電灯を持った拓也を先頭に、雄太、大輔、そしてその背中にしがみ付いている由佳。

4人は一歩一歩、道を確認しながら恐る恐る闇を切り裂くように手探りで進んでいく。

”ガンッ!!!”

森に入ってから5分ほど経った頃だっただろうか。

突然、近くで大きな衝撃音が走った。

「え・・・なに?こわいよぉ~!」

上の方になにかの気配を感じた拓也はとっさに

その方角に両手をかざした。

「なっ、ま、マジかよ・・・!」

 

 

 

つづく・・・。