凝縮された時、宗教と科学と哲学の間
ルーブル美術館展の主たる目当ての彼女
ヨハネス・フェルメール 「レースを編む女」
4作目のフェルメール、
彼女以外の3作はRijksmuseumで出会い、
その時、ああ、彼の絵は、
その瞬間を切り取ってしまうことなのだと知りました。
レースを一心に編む彼女は、
アムステルダムで知ったのと同じ、
「紙面に留められた一瞬、凝縮された時間」
止まった時間に引き留められて、ずっと眺めていたくなる。
その場から離れがたい絵に出会うことが、
絵画を愛でる楽しみなのだと思う。
(賞でる/愛でるという言葉は良くできているとも、つくづく思う)
***
彼女以外は特に調べず訪れたのだけれども、
テーマが17世紀であることを、
まざまざと感じさせる展示でした。
ヨーロッパ絵画はいつの時代も宗教画が多いけれど、
17世紀はカトリックとプロテスタントの対立を反映して、
より自らの根拠を主張する絵が多い。
「私たちが正統派なのだ」ってね。
一方で、科学と哲学が発展し
宗教の主張と矛盾が生じる。
宗教画が変わらず描かれながらも、
哲学者の肖像や論文が絵の主題となるのは、
まさに時代を反映している。
スペインやオランダに関連する絵が多いことは
彼らがその時代の覇権を握っていたことの裏返し、
港や植民地、都市の繁栄を描いた絵は、
大航海時代後の海外進出の反映。
こうやって背景を想像しながら見るのも
一つの楽しみ方。
感性と知性のカケラで、視覚から訴える印象と
歴史の背景を紐付けて、心と頭で楽しむ。
絵画を楽しむ一つの方法なのでは、とも思いました。
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感性欲、知識欲、両方満たされる一時の後、
まだまだ京都めぐりは続きます。
その次はやっぱり食???(笑)
***備忘のため記録***
・ド・ブロワ嬢と推定される少女の肖像
~赤いドレスにばら色の頬、まさに少女
・アムステルダム新市庁社のあるダム広場
~オランダの繁栄
・法悦の聖フランチェスコ
・アムステルダム港
・5つの貝殻
・弓を持つ東方の戦士(バルバリア海賊)
~十字軍から?
・一瘤ラクダの習作
~まるで水墨画のようで
・プファルツ選帝侯の息子たち
~ナイスガイ
・メランコリー
・受胎告知 天使と聖母
・パテシバ
~退廃的、アンニュイな
・4人の福音書記者
~異なる4人の肖像