舐性皮膚炎は、精神的なストレスだけが原因とは限らず、アレルギー性皮膚炎や細菌性皮膚炎など、何らかの皮膚病が背景にある場合があります。

犬や猫は、日常的にグルーミングを行うものですが、皮膚に痒みなどの違和感を感じると、しきりに舐め続ける事で、そのような不快感を治そうとする事があります。

そのようにして、皮膚の同じ所を何度も繰り返し舐め続けていると、皮膚が唾液で湿ってくるために、ふやけて弱くなるため、傷やただれができやすくなります。

そして、その傷口に口腔細菌や皮膚の常在菌が侵入しやすくなり、二次感染が起こると、さらに痒みがひどくなったり、痛みが生じるようになる事があります。

そして、ますます病変部を治そうとして、必死になって舐め続けるようになる事があります。

猫の舌には、舌乳頭と呼ばれる小さな突起が無数に存在しており、頻繁にグルーミングを行う際のブラシのような役割があり、とてもザラザラとしています。

また、犬の舌にも小さな舌乳頭は無数に存在しており、きめの細かなヤスリのようになっていますので、何度も舐め続けていると、被毛が抜け落ちて、やがて皮膚を傷付けてしまう事になります。

犬や猫が何度も同じ部位を舐め続けている場合には、ストレスを感じている可能性もありますが、何らかの皮膚の異常を抱えている事もありますので、皮膚や被毛の状態もよく観察してあげる必要があります。

犬や猫の体に汚れが溜まっていると、頻繁にグルーミングを行うようになりますので、毛玉を飲み込んだり、皮膚がただれるなど、病気を引き起こす原因になってしまいます。

そのため、普段から犬や猫の体は清潔に保つように気を付けて、身の周りの生活環境も衛生的に保つ事が大切です。