8/20 余りの18きっぷで行く岳南電車の旅 | ドリームハウス南蘭得 - 秩父とダムと鉄道と。

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一昨日の話です。

旅行で使った青春18きっぷが1回分余っていたので、たまたま何も予定がなかったこの日は岳南電車の旅に出かけてきました。

岳南電車はJR東海道線の吉原駅から接続し、岳南江尾駅までを結ぶ小さなローカル線です。

 

☆乗車記録

JR東海道線 横浜8:44発→乗り換え1回→吉原10:33着(青春18きっぷ利用、通常1940円)

岳南鉄道線 吉原10:48発→吉原本町10:53着(1日乗車券利用)

 

ということで、初めにやってきたのは吉原本町駅。

 

吉原本町と言えばつけナポリタン。

人口減少や大型スーパーの誕生などによって客足が遠のきつつある商店街を活性化させるために生まれた商店街グルメです。地方の駅前あるある。

実はこれを食べるのが今回の旅の主目的なのです。

 

つけるタイプなので最後の最後まで麺とトマトソースを絡めて味わえます。

具もたくさん入っていて美味しいです。

 

吉原本町駅前はアーケード付きの商店街になっています。これも地方の駅前あるある。

個人的には新潟県とかでよく見るイメージです。

 

この商店街には他にもつけナポリタンのお店が何軒かあるので、機会があればまた食べに行きたいです。

 

岳南電車に乗って岳南原田駅に移動してきました。

ここは1つ隣の比奈駅と共に、かつては貨物列車が多く発着する駅でした。貨物列車の留置線として使用されていたと思われる線路が途切れて、駐車場として埋められていますね。

 

岳南電車が走る静岡県富士市は、中学受験の遠い知識でいう「東海工業地域」の一部として知られているように製紙パルプ工業が盛んな地域の1つですから、岳南線沿線にも製紙工場が多くあり、それらを輸送するための貨物列車が運行されていました。

 

しかし数年前、吉原駅から貨物輸送を引き継いでいたJR貨物が、経営の合理化のために吉原駅での貨物取扱を取りやめてしまったのです。吉原駅から先の輸送手段が途絶えたわけですから、そのせいで岳南線内でも貨物列車の運行が難しくなり、そのままやむを得ず廃止されてしまいました。

合理化のために廃止されたということは、全盛期に比べると輸送量が減っていたということなのでしょうが、世間では環境問題やトラックのドライバー不足で貨物列車が再注目されている中で、その流れに逆行して廃止しトラック輸送に切り替えさせるのはどうなのかな?と思ってしまいます。そして何よりも岳南電車の関係者がかわいそうです。

 

ちなみに、これを含めた一連の経営改革によってJR貨物は黒字転換に成功しました。今は100億円くらいの利益を出しているそうです。その一方で、JR貨物から見捨てられた岳南線は、旅客輸送での赤字額の大半をカバーしてきた貨物輸送が廃止されたことにより、毎年数千万円の赤字を出しているそうです。ひどい話です。

大企業はお金のない小さな会社を救ってやればいいと思うのですが、少なくともこの国の上のほうにはそういう優しい人はいないようです。

 

ちょうど反対方向の列車がやってきたので1枚。

工場地帯の間を縫うようにして走っていることが分かります。

 

比奈駅をいったん飛ばして、2つ先の岳南富士岡駅へ。

ここには貨物列車の牽引に使われていた機関車が保存されています。

 

駅から10分ほど歩いて湧水公園に行ってみました。

シダレヤナギが良いアクセントで、涼しげな公園です。池にはコイがたくさん泳いでいました。

 

そこから比奈駅方面にさらに10分ほど歩いていくと「竹採公園」があります。

ここは竹取物語の発祥の地と言われていて、公園内には翁と姫が住んでいたと伝えられている塚があります。

ただし、ここ比奈地区に伝わる竹取物語は一般的に知られているお話とは少し異なっていて、例えばかぐや姫は月ではなく富士山に帰るそうです。

 

公園の上まで上ってくると広い野原に大きな木が生えていました。トトロが出てきそうです。

知らないうちにかなり高いところまで上ってきたようで、奥には富士市の街並みが広がっていてとても景色が良いです。

 

比奈駅にやってきました。

ここは昔ももクロメンバーが主演を務めた映画「幕が上がる」のロケに使われた駅です。私がずっと応援している人もかつてこの駅を訪れていたと思うと、とても感慨深いです。

 

岳南原田駅でも触れたように、この比奈駅もかつては貨物列車が発着する駅でした。ホームの手前側の不自然に何もない部分が貨物列車の線路があった部分なのでしょう。岳南原田駅は線路の一部がまだ残っていたり駐車場として埋められていたりしていましたが、比奈駅のように完全に何もない状態だと何だか寂しい気持ちになります。

ローカル線の収入源を確保し、地元の足として安定的に維持していくためにも、貨物列車はやはり残してほしかったような気がします。

 

比奈駅の小さなホームに、1両の小さな列車がやってきました。

これで終点の岳南江尾駅へ移動。

 

岳南江尾駅もまた小さな駅です。

ホームの屋根が先ほどの比奈駅とそっくりですね。

 

ここでは特に寄る場所は無いのですが、ジムバトルをしていたら折り返し電車が行ってしまったので30分後の後続を待ちます。

駅構内に自転車が止められているのがローカル線らしいです。左上にある謎の箱はかつての発車標でしょうか?

 

帰りの電車は「かぐや富士」の愛称がついている8000形でした(写真右)。

8000形はラッシュ時専用だという話をどこかで聞いた覚えがありますが記憶違いですかね?それとも今は違うのでしょうか。でも2両編成の電車に私を含めて3人しか乗っていませんでしたから、2両編成の8000形では日中は輸送過剰であるのは明らかです。

 

吉原駅から東海道線で西に進み、続いては清水駅にやってきました。

 

駅のすぐそばが清水港になっているので、駅から5分くらい歩いたところには魚市場がありました。

市場自体はこの日は休業日でしたが、隣接するまぐろ館はやっていたので、ここで晩飯にまぐろ丼を食べることにしました。

 

海を見ながら食事が出来ます。

 

帰りはいったん静岡駅に出てから「ホームライナー沼津」で戻りました。320円を払うだけで特急型車両で快適に移動できるので、18きっぷで静岡から帰るときはオススメです。

 

つけナポリタンだけ食べれれば良いと思っていた今回の旅でしたが、岳南線でののんびりとした旅を楽しむことができ、最後には大好物のまぐろ丼も食べれたので、お得で充実した旅になりました。この記事をご覧の方も、18きっぷが余ったら岳南線にのんびり揺られる旅に出てみてはいかかでしょうか。

 

ということで今回は以上になります。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。