サービスの大改革の準備は2009年7月に始まりました。後に「私書箱」と命名されたWEBコミュニケーションを可能にするシステムの開発の着手です。そして、この「私書箱」システムには、お客様と共有の書庫機能を搭載することになりました。それにより、膨大なお客様の重要書類のデータ作成が始まったのです。本当にその方向性に舵を切っていいのか?本当のところは、成功の道筋が見えていた訳ではありませんので、暗中模索でスタートしました。
ところで、重要書類のデータ作成とは、お客様の申告書や決算書、届出書、定款、履歴事項証明書などをPDFデータにすることを指しています。つまり、サービス提供方法の変更に伴ってペーパーレス化も動きだしました。それでなくても紙保管書類の多い税理士事務所ですので、ペーパーレスは社員の意識改革をも必要としました。開始当初は仕事がやりにくくなるとか反対意見が多くありましたので、理解してもらうのに苦労しました。ただ、いくら口で理屈を言っても、理解は深まりませんので、いち早くその状態を実現して体感してもらうしかないと感じていました。
2009年7月からの準備をして、2010年6月の「私書箱」システムのリリースにより本格運用が始まりました。お客様1件1件に「私書箱」システムを紹介しました。そして、使ってもらうよう働きかけました。訪問しないサービスへ変更することのご理解取り付けにも奔走しました。お客様のクレームに追われたマイナスからの対応の時期に比べれば、その奔走は気が楽なものでした。
ただし、サービス提供方法の大改革により多少なりとも混乱は生じました。優秀な社員だと評価していた社員がこの大改革によって退職するという痛い思いもしました。一度は作り上げた安定を壊し、先を見越して進める改革は不安と隣り合わせだったことは言うまでもありません。
あれから6年が経過しました。一定の成果の実感はできました。しかし、一定の成果を実現した後も正直言って不安から解放されることはありませんでした。常に達成感の裏返しに不安があることを知りました。表裏一体とはこういうことを言うのかと学んだような気もします。
2014年より、私はエヌエムシイ税理士法人の現場から離れております。グループ会社の違う役割に転じました。でも、その現場はずっと客観的に見ています。私自身の失敗の上塗りで作り上げたガラス細工を鉄筋コンクリート造りに変えていってもらえることを陰ながら応援し期待しています。そして、この道しるべを他の事務所にお伝えしたい気持ちは常に抱いております。
明日はブログ読者の皆様へご挨拶をさせていただきます。
本日もブログを読んでいただきましてありがとうございました。