(2日後 学校の廊下)

「いや〜 ほんまさやかちゃんお手柄やったわ〜」


「戦ってみると意外とあっさり勝てたな」


「さやパンチとさやキックはネーミングセンスないけどな」


「それみゆきが勝手につけたやつやろ! うちはふつーに殴って蹴っただけや。」


「にしても、ほんまにかっこよかったで♡」


そういうと美優紀は彩の左腕に抱きついた。




そんなことされたら毎回ドキッとしてまうやろ…



嬉しいけど顔には出さない彩だった。



あの日の戦闘はあっという間に終わった。
というより、サヤカマンの圧倒的な戦闘力の前に怪人はなすすべがなかったのだ。

当たったものは一生変な声になるというヘリウムビームをひらりひらりとかわし、スキをついて怪人の腹部へ右ストレート。
そして怪人を吹っ飛ばしたあとさらにダメ押しの頭頂部へのカカト落とし。

アスファルトの道路にめり込んだ怪人は二度と動くことはなかった、、、、


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(教室)
ガラガラガラ、、、

小柄な上西先生が入ってきた。

「はーい みんな席について〜!」


ざわついている教室は徐々に静寂に包まれていく。

「はい 静かになったね。
今日はね、特別な理由で他校から転校してきた新しいクラスメイトを紹介するね。
入っていいよ〜。」


廊下にいる転入生を呼ぶと、上西は黒板に名前を書き始めた。

背が低いので、いつも黒板の真ん中くらいから書き始める。


ガラガラ、、、


「あ」


彩は教室に入ってきた転校生を見た瞬間思わず声をあげた。


「どうしたん?知り合いなん?」


彩の左隣に座っている美優紀が聞いた。

「いや、知り合いっちゃ知り合いなんやけど、この前ちょっと話しただけ」


「ふーん にしても元気そうな子やね」

美優紀が元気そうな子と表したその転校生は金髪に染めていて、転入初日というのに制服を着崩していた。


「どうも 木下百花です。よろしくお願いします」


「じゃあ木下さんは山本さんの右の席に座ってね」

「はい」

すると木下は迷うことなく指定された座席に直行した。



たまたま病欠の人が多く、空席が多かったはずなのに、彩の横にやってきた。


これは他人から見たらかなり不自然だった。

なぜなら転校生が「山本さん」を知ってるとは思っていなかったから。


「よろしく」

彩にそういうと木下は着席した。

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(休み時間 廊下)

「なんでうちの学校に来たんや?」

「スーパーマンのアシスト、的な?」


「はぁ!?もう怪人は倒したからスーパーマンやる必要もないやろ。」

「キーは捨てたんか?」

「いや、まだ持っとるけど」

すると木下は両手を彩の両肩に載せて体重をかけながら彩の目を真正面から見た。


「この街にはまだまだ怪物がくる。だから私と2人で守ってほしい。」


え、またスーパーマンやるんですか、、、、、

ガビーン

彩は露骨にイヤがる顔をした。


「大丈夫や 私がしっかりサポートするから」



いやそういう問題じゃなくてさ、












またあの服着るんかーーーーーーーーーーい!!!!!!!









SAYAKAMAN 第6話に続く。