太平洋戦争が始まったのは、1941年12月8日で、戦局の転換点といわれるミッドウェー海戦は1942年6月である。『歌ふ狸御殿』は調べてみると1942年11月5日公開になっている。

『歌ふ狸御殿』のピアノ階段なんか見れば1930年代のアメリカ映画のミュージカルのものだ。たとえば、なぜかDVDが出ていないマーヴィン・ルロイ監督で、バスビー・バークレーが振付を行なった1933年版の『ゴールド・ディガーズ』には、次のような有名なシーンがある。





バスビー・バークレーが絶頂期だったのはプレ・コード時代の1931年から1933年ぐらいで、『ゴールド・ディガーズ』と同じ1933年の『四十二番街』は、淀川長治さんの解説つきのものが発売されているようだ。

また、夜のシーンのキラキラしているところは1935年のマックス・ラインハルトとウィリアム・ディターレの『真夏の夜の夢』のハル・ムーアの撮影をなんとなく思い出してしまう。





ところで、「週刊読書人」の3月24日号に鈴木清順追悼で蓮實さんへのインタビューが掲載されるとのことである。『シネマ69』で清順さんへ7時間か8時間のインタビューをした一人が蓮實さんだから、その頃の話を知りたいものである。