いまは引退してしまったが、ゴダールがアンドレ・バザンのようだと称えた、シカゴ・リーダーの映画批評の主筆だったジョナサン・ローゼンバウムが、退潮期のアメリカ映画に関わる職業人たちがいかに映画に関して無知であるかを示すようなAFI のアメリカ映画ベスト100なるリストを出したときに、代替のリストを自分で作って提示したことがかつてあった。しかし、考えてみるとヌーベル・バーグが自国の優れた映画監督を「作家政策(主義)」で救済するまでは、彼らはそれらの監督たちの作品を殺し続けたのだから、彼らの作品を見る眼のなさは今に始まったことではない。「アメリカ的」なものと「アメリカ映画作品」はウマが合ったことなどないのだ。アカデミー賞とて同じことであろう。以下に、当時、ローゼンバウムが作った順位なしのリストをあげておく。もちろん、こういうリストはとりあえずのものであって、いくらでも別のリストが作れるのであり、こんなものに縛られるのは間違っているに決まっている。ただ、ローゼンバウムがどんな映画を評価していたのかは、なにかの参考になるだろうと思って提示しておく。なお、青字はこのブログでもすでに紹介した作品である。


地獄の英雄   ビリー・ワイルダー (1951)
めぐり逢い   レオ・マッケリー (1957)
或る殺人     オットー・プレミンジャー (1959)
お熱い夜をあなたに! ビリー・ワイルダー(1972)
裸足の伯爵夫人 ジョセフ・L・マンキウィッツ (1954)
果てしなき蒼空 ハワード・ホークス (1952)
ビガー・ザン・ライフ ニコラス・レイ (1956)
黒猫 エドガー・G・ウルマ- (1934)
フランケンシュタイン ジェームズ・ホエール(1935)
キャット・ピープル ジャック・ターナー (1942)
七月のクリスマス プレストン・スタージェス (1940)
女を売る街 アルバート・ザクスミス (1962)
群衆 キング・ヴィダー (1928)
デッドマン ジム・ジャームシュ (1995)
ドゥ・ザ・ライト・シング  スパイク・リー (1989)
紐育の波止場 ジョセフ・フォン・スタンバーグ (1928)
Eadweard Muybridge, Zoopraxographer トム・アンダーセン (1974)
11 x 14 ジェームズ・ベニング (1976)
イレイザーヘッド デビット・リンチ (1978)
愚かなる妻 エーリッヒ・フォン・シュトロハイム (1922)
悪の力 エイブラハム・ポロンスキー (1948)
フリークス トッド・ブラウニング (1932)
キートンの大列車追跡 バスター・キートン (1927)
紳士は金髪がお好き ハワード・ホークス (1953)
ギルダ  チャールズ・ヴィダー (1946)
The Great Garrick ジェームズ・ホエール (1937)
グリード エーリッヒ・フォン・シュトロハイム (1925)
Hallelujah, I'm a Bum! ルイス・マイルストン (1933)
ライラにお手あげ ピーター・ファレリー (1972)
シルビーの帰郷 ビル・フォーサイス (1987)
ハスラー ロバート・ロッセン (1961)
イントレランス D.W.グリフィス (1916)
大砂塵 ニコラス・レイ (1954)
プリースト判事 ジョン・フォード (1934)
Killer of Sheep チャールズ・バーネット (1978)
現金に体を張れ スタンリー・キューブリック (1956)
チャイニーズ・ブッキーを殺した男 ジョン・カサヴェテス (1976)
キッスで殺せ ロバート・オルドリッチ (1955)
底抜けもててもてて ジェリー・ルイス (1961)
上海から来た女 オーソン・ウェルズ (1948)
Last Chants for a Slow Dance  ジョン・ジョスト(1977)
踊子夫人 ハリー・ダバディー・ダラー (1930)
忘れじの面影 マックス・オヒュルス (1948)
都会の哀愁 パウル・フェヨシュ (1929)
今晩は愛して頂戴ナ ルーベン・マムーリアン (1932)
ラヴ・ストリームス ジョン・カサベティス (1984)
偉大なるアンバーソン家の人々 オーソン・ウェルズ (1942)
明日は来たらず レオ・マッケリー (1937)
リバティ・バランスを撃った男 ジョン・フォード (1962)
青空天国 フランク・ボゼージ (1933)
ギャンブラー ロバート・アルトマン (1971)
若草の頃 ヴィンセント・ミネリ (1944)
マイキー&ニッキー エレイン・メイ (1976)
殺人狂時代 チャールズ・チャップリン (1947)
マイ・サン・ジョン レオ・マッケリー (1952)
裸の拍車 アンソニー・マン (1953)
極北のナヌーク ロバート・フラハティ (1922)
狩人の夜 チャールズ・ロートン (1955)
底抜け大学教授 ジェリー・ルイス (1963)
結婚五年目 プレトン・スタージェス (1942)
暗黒の恐怖 エリア・カザン (1950)
パーク・ロウ サミュエル・フラー (1952)
無警察地帯 フィル・カールソン (1955)
殺しの分け前/ポイント・ブランク ジョン・ブアマン (1967)
リアル・ライフ アルバート・ブルックス (1979)
リトアニアの旅への追憶 ジョナス・メカス (1971)
リオ・ブラボー ハワード・ホークス (1959)
暗黒街の顔役 ハワード・ホークス (1932)
恋のページェント ジョセフ・フォン・スタンバーグ (1934)
スカーレット・ストリート フリッツ・ラング (1945)
幼年期の情景 スタン・ブラッケージ (1970)
The Scenic Route マーク・ラパポート (1978)
The Seventh Victim マーク・ロブスン (1943)
アメリカの影 ジョン・カサヴェテス (1960)
キートンの探偵学入門 バスター・キートン (1924)
銃撃 モンテ・ヘルマン (1967)
桃色の店(街角)エルンスト・ルビッチ (1940)
群狼の街 サイ・エンドフィールド (1950)
Stars in My Crown ジャック・ターナー (1950)
鬼軍曹ザック サミュエル・フラー (1951)
ストレンジャー・ザン・パラダイス ジム・ジャームッシュ (1984)
いちごブロンド ラオール・ウォルシュ (1941)
サンライズ F.W.ムルナウ (1927)
男装 ジョージ・キューカー (1935)
翼に賭ける命 ダグラス・サーク (1958)
ザッツ・エンターテイメントIII バド・フリージェン (1994)
自由への闘い ジャン・ルノワール (1943)
サンダーボルト ジョセフ・フォン・スタンバーグ (1929)
To Sleep With Anger チャールズ・バーネット (1990)
Tom, Tom, the Piper's Son ケン・ジェイコブズ (1969)
Track of the Cat ウィリアム・A・ウェルマン (1954)
極楽特急 エルンスト・ルビッチ (1932)
ヴァイナル マーティン・スコセッシ (1965)
ワンダ バーバラ・ローデン (1971)
口紅殺人事件 フリッツ・ラング (1956)
ロック・ハンターはそれを我慢できるか フランク・タシュリン (1957)
ウッドストック/愛と平和と音楽の三日間 マイケル・ワドリー (1970)
間違えられた男 アルフレッド・ヒッチコック (1957)
砂丘 ミケランジェロ・アントニオーニ (1970)