1928年、キング・ヴィダー監督。 原題は、”The Patsy"。この作品、『お人よし』という邦題が使われていたものがあったのでそれに習ったのだが、日本で公開されたかどうかは未確認である。
このヴィダーが監督した「コメディ」作品を見てほしい。ヴィダーは本当に社会派の監督だったり、メロドラマを得意とする監督なのであろうか。見逃すはずもないと思うが、特におもしろいのは、一番上の写真にあるように、マリオン・ディビスがメイ・マリー、リリアン・ギッシュ、ポーラ・ネグリの物真似を次から次にやるところである。リリアン・ギッシュの物真似のところなぞ、あまりにも似ているので涙が出るほど爆笑してしまった。やはり、映画は実際に自分の眼で作品を見ないかぎりわからないと、つくづく思える作品である。
なお、この映画で母親役をしているマリー・ドレスラーは、この作品に出る前に人気が落ちて、もう自殺しようと考えていたそうであるが、アラン・ドワンが、この映画に出演することを勧めてくれて、この映画以降、人気がまた出始め、彼女はなんと60歳を超えてスターの座をつかむことになるのである。
The Patsy (YouTube)